巨人阿部監督を悩ます原前監督の尻拭い…FA組と主力の過渡期でよぎる高橋由伸政権時の再来

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 29日時点で巨人の114得点はリーグ最少。チーム打率.227もセ5位という低空飛行ぶりだ。すでに20試合連続4得点以下で球団ワーストを更新した。

 貧打の原因に坂本勇人の衰えを挙げ、「主力に依存しすぎる巨人は、これまでも世代交代に苦労した」とは、巨人の元バッテリーコーチで評論家の秦真司氏だ。(【前編】からつづく)

  ◇  ◇  ◇

 巨人には定期的に「貧打」の時期があった。

 例えば、チーム打率.243で9年ぶりのリーグワーストに終わった2015年。現監督の阿部(.242、15本塁打)や村田(.236、12本塁打)ら中軸打者が故障などで軒並み打撃不振に陥った。規定打席に到達したのは坂本(.269)、長野(.251)だけ。結局、V逸でリーグ3連覇が途切れ、原監督の第2次政権が終わった。

 巨人コーチや中大監督などを歴任した高橋善正氏(評論家)がこう言った。

「15年ごろは、故障がちになっていた阿部、FA入団組で衰えが見え始めた村田、そこに長野、坂本を加えた、原監督が『枢軸』と呼んだメンバーへの依存度が高かった。半面、この4人に続く若手を育てなかったことで、後任で翌年から3年間勝てなかった高橋由伸監督が苦労することになるのです。岡本を4番として根気強く起用したのは由伸監督です」

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