テレビ 見るべきものは!!
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バリカンで髪の毛を刈り込んだ 池松壮亮の役者根性に拍手
懐かしいタイトルだ。テレビ東京系で放送中のドラマ25「宮本から君へ」。新井英樹の原作漫画が「モーニング」に連載されていたのは1990年代前半。まだバブルの余韻も残る時期に、汗くさくて泥くさくて暑苦し…
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WOWOW連ドラ「不発弾」 凛として光る黒木メイサのまなざし
WOWOWの「不発弾~ブラックマネーを操る男~」は、大人に嬉しい社会派サスペンスである。 大手電機メーカー「三田電機」が、7年間で1500億円の「不適切会計」を発表する。ただし、あくまでも不…
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日テレ「正義のセ」 吉高由里子を励ます安田顕の解毒作用
今期の連ドラが大詰めとなってきた。「正義のセ」(日本テレビ系)も今週が最終回だ。 主演は吉高由里子。近年は翻訳家(朝ドラ「花子とアン」)や脚本家(日テレ系「東京タラレバ娘」)などを演じてきたが…
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テレ東「マツコ、昨日死んだってよ。」は“テレビ論”の試み
最近よく言われる「元気なテレビ東京」を象徴するような1本だった。5月29日の深夜に放送された「マツコ、昨日死んだってよ。」だ。なんと「マツコ・デラックスが急死した」という大胆な設定で進行する異色のバ…
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業界団体は抗議も 「ブラックペアン」ドラマ的演出の是非
これまで心臓手術用機器「スナイプ」が物語の軸だった「ブラックペアン」(TBS系)だが、新たに内視鏡手術支援ロボット「ダーウイン」が登場した。こうした最新機器を使った手術でトラブルが発生し、患者の命が…
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“5歳児”の素朴な疑問 NHK「チコちゃんに叱られる」の痛快
今期も新しいバラエティ番組が何本か登場したが、最もおススメしたいのが金曜夜の「チコちゃんに叱られる」(NHK総合)だ。コンセプトは明快で、子どもが投げかける「素朴な疑問」に大人として答えてみよう、と…
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テレ東「ヘッドハンター」は手持ち資産を生かした戦略商品
自社の特色や強みを生かしたコンテンツ開発。テレビ東京が創設した新たな月曜22時枠「ドラマBiz」は、経済を軸に人間や社会を描くドラマという試みである。その第1弾が現在放送中の「ヘッドハンター」だ。 …
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長澤まさみら怪演 ドラマを支える脚本と“仕掛け”の面白さ
コンフィデンスマン、もしくはコンマン。その意味は詐欺師とかペテン師で、相手を信用させて詐欺を働くことを指すのが「コンゲーム」だ。 コンゲーム映画なら、懐かしいところではポール・ニューマンとロ…
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ユニークな感性 「半分、青い。」永野芽郁のキャラに好感
NHK朝ドラ「半分、青い。」が始まって約1カ月。前作「わろてんか」はストーリー自体が精彩を欠き、モチーフだという吉本せいのこともよくわからなかった。安易な実録路線の結果だが、今回は安心して見ていられ…
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脇役の鈴木京香が主演の波瑠を食う?女性版「相棒」の試み
主演は波瑠(26)。脚本が大森美香。これってNHK朝ドラ「あさが来た」(2015年)の組み合わせだ。それが今回は刑事ドラマ「未解決の女 警視庁文書捜査官」(テレビ朝日系)である。しかも変種の刑事物で…
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「黒井戸殺し」違和感も ドラマ化が難しいクリスティ小説
14日に放送されたドラマ「黒井戸殺し」(フジテレビ系)の原作は、アガサ・クリスティの長編小説「アクロイド殺し」だ。 のどかな郊外の村で富豪のアクロイド氏が殺害される。彼の姪が助けを求めたのが…
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唐沢寿明に渡部篤郎 アラフィフ俳優が支えた3時間の長尺
2日放送のTBS系ドラマ特別企画「がん消滅の罠~完全寛解の謎~」。原作は第15回「このミステリーがすごい!」大賞の大賞受賞作で、岩木一麻の同名小説だ。 日本がんセンターの医師、夏目(唐沢寿明…
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竹野内豊が好演「ミッドナイト・ジャーナル」は良質作品
今年開局50周年を迎えるテレビ東京が、春の記念ドラマ「ミッドナイト・ジャーナル~消えた誘拐犯を追え! 七年目の真実」を放送した。原作は本城雅人による同名の社会派サスペンス小説だ。 中央新聞さ…
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帰ってきた鼻男 阿部寛主演「スニッファー」の鋭敏な演出
あの“鼻男”が帰ってきた! 一昨年の土曜ドラマ「スニッファー 嗅覚捜査官」。超人的な嗅覚を持つ華岡信一郎(阿部寛)が、犯行現場などに残されたにおいを嗅ぎ当て、警察と共に犯人を追いつめる異色作だった。…
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復興と呼ぶには程遠い NHKスペシャルが伝えた被災地の現実
東日本大震災から7年目の3月11日午後、民放各局が特番を放送した。日本テレビ系「東日本大震災から7年…災害の新常識」。TBS系「震災7年~生死を分ける72時間 巨大地震にあなたは?」などだ。 …
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ファンには理想郷 秀逸ドラマ「オー・マイ・ジャンプ!」
ドラマ24「オー・マイ・ジャンプ!」は、この枠の記念すべき50作目。しかも同じ50ということで、今年創刊50周年を迎える「週刊少年ジャンプ」とのコラボ企画だ。 まず物語の舞台である秘密クラブ…
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嵐・松本潤が快演 食わず嫌いで見ないのは惜しい「99.9」
主演俳優がジャニーズ系と聞いただけで、そのドラマを見ない大人がいるが、それはもったいないと思う。一昨年に続く第2シーズンを迎えた「99・9―刑事専門弁護士―」はその典型だ。今回も嵐の松本潤がひょうひ…
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出ているだけで「一見の価値」だった大杉漣さんの存在感
大杉漣さんが亡くなった。「バイプレイヤーズ」のロケ先でのことだ。ふと、「やすらぎの郷」(テレビ朝日系)の野際陽子さんを思い出した。お2人とも最後まで俳優であり女優だったのだ。 昨年登場したシ…
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NHK「荒神」の内田有紀に拍手 業を背負った女の悲しさ
先週末、BSプレミアムで「荒神」が放送された。原作は宮部みゆきの同名小説。舞台は元禄時代、東北地方の山村だ。 永津野藩の重臣、曽谷弾正(平岳大)は隣接する香山藩へ残忍な攻撃を続けていた。妹の…
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脚本家・坂元裕二が「anone」に散りばめたフェイクの視点
広瀬すず主演「anone(あのね)」のキーワードは、「フェイク(ニセ物)」だ。このドラマには、物語の低音部となる1万円のニセ札作りだけでなく、いくつものフェイクが登場する。 辻沢ハリカ(広瀬…