パイロットは36%増…旅客機乗務員の健康リスクは?
先日、フランスの航空会社の元客室乗務員が、乳がんに罹患したことを業務が原因であるとして訴えを起こし、裁判所が労災であると初めて認めた、というニュースが報じられました。それでは、旅客機に乗務することと乳がんとの間に、どのような関係があるのでしょうか?
ジェット旅客機の高度は地上1万メートルくらいですが、そこでは宇宙から降り注ぐ放射線の影響を地上より強く受け、地上の100倍以上の放射線を被ばくすることになります。ただ、これは日本とアメリカを飛行機で往復しても、そこで受ける放射線の量はレントゲン写真の数枚分くらいなので、一般の人が年に何回か海外旅行をしても、それがすぐに健康上のリスクになるというわけではありません。
ただ、毎日のように旅客機に乗務している航空会社のパイロットや客室乗務員では、少し事情が違います。低線量ではあっても、健康上、無視できない量の放射線を被ばくする可能性があるからです。
今年の米国医師会関連の医学誌に、アメリカでの疫学研究の結果が報告されています。それによると、他の職種に就いている人と比較して、旅客機のパイロットで36%、客室乗務員で50%、放射線関連のがんで死亡するリスクが増加していました。このがんの中には乳がんも含まれています。
低線量の放射線の被ばくの影響は、職種によっては無視できないものであるようです。



















