卑怯者! 不倫清算→月3万円の“お手当”全額返済を迫られた35歳シンママの怒り
35歳、シンママ。4歳上の既婚者彼氏と別れたい
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も少なくありません。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。
【冷酷と激情のあいだ〜女性編~】
美里さんは35歳のシングルマザー。5年前に離婚をし、ひとり娘とともに暮らしています。
2年ほど前から交際をしているマサシさん(仮名)は、美里さんより4歳年上で既婚者とのこと。
これまでは「割り切った関係」を続けてきたけれど、ここへきて美里さんはマサシさんとの関係を清算したいと考えています。
ドライな関係だったけど
「マサシとは不倫ですが、それなりにいい関係を築けていたと思っています。
まぁマサシには家庭があるので、たとえば娘が高熱を出したり私が体調を崩したりしても助けてくれるわけでもないドライな関係でしたけどね。
それでも、私も彼氏がいないよりは、いたほうがいろんな面で生活がうるおうから、相手が既婚者でも別にいいやって感じで、あまり気にせずにいました」
しかし娘が小学生になって大人びてきたことにより、美里さんの心境に大きな変化が訪れたそう。
今は、マサシさんとの関係を早く終わらせたくて仕方がないと話します。
娘の態度に異変
「娘が大きくなってきて、私とマサシとの関係を、不可解に思っているようなのです。
娘からするとマサシは『パパみたいな位置付けだけど、パパではない』というおかしな関係なので…。
知恵がついてきた今は、クラスメイトの家庭状況とも比較して『何かが変だな』って感じているみたいなんです。
娘から私に直接は言ってきませんけれど、娘がマサシに接する態度を見ていると、1年前とは明らかに違うなってわかるんですよ」
「お小遣い」の全額返済を迫られて
マサシさんは美里さんに対して、毎月3万円ほどのお小遣いを渡してくれていて「これで、遊びに行ったときの食材の足しにして」と言われていたことから、美里さんは月に何度かはマサシさんを自宅に招いて、手料理を振る舞っていたとのこと。
しかしそういった関係も、娘に分別がつくにつれて「限界かな」と感じているそうです。
「それで、マサシに別れたいって話をしたら…。『俺は別れたくない。俺の意志に反してどうしても別れるって言うのなら、これまでに渡していた毎月3万円を全額返済してくれ』って言い出して、困っているんです。
丸々貯めておけばよかった
私は娘との生活には困っていませんが、これまでに受け取った額を一括で返すとなると何十万円もかかるので…。
それに、そもそも返す必要のないお金だと思って受け取っていたから、こういうことを言ってくるのは、すごくズルいと思いませんか?
後から返す必要があるなら、マサシの好物なんて買わないで、丸々使わずに貯めておいて返したのに」
お金とは関係ない。別れ話がしたいだけ
マサシさんから受け取ったお金は、マサシさんの好物を作る食材費などにすべて消えていて、美里さんはそのお金は「全額をマサシとの時間のために使った」という認識とのこと。
それなのに、今になって「返してくれないなら別れない」と、駄々をこねているマサシさんには嫌悪感しかないと怒りをあらわにします。
「あり得ないですよね…。ズルいっていうか卑怯っていうか。
私は、これまでのお金は関係なく、それはそれ、これはこれって感じで、普通に別れ話をしたいだけなんです。
でもマサシがこうやってゴネ続けるなら、別の方法も考えなくてはいけないかなって思っています。
家族にバラしてもいい
家庭にバラしてもいいかもしれないけれど、そうなるとマサシからの報復が怖いので、引っ越しをしなくてはいけなくなります。
でも引っ越し代金を出すだけの余裕は、今の私にはありません。
そんなことを考えているうちに、どうしたらいいのかわからなくなっちゃったんです。
マサシは、いったい何を考えているんでしょうね? 私を追い詰めて、何が楽しいんだか…。彼の真意を知りたいし、なんとかして穏便に別れたいですね」
◇ ◇ ◇
ふたりのあいだで別れ話がこう着状態にあり、だんだんと神経がすり減っていると疲れた表情で語る美里さん。
では、不倫相手であるマサシさんはどのような心境でいるのでしょうか。次回に続きます。
(並木まき/ライター・エディター)