料理芸人クック井上。が推奨 これが東京都の人気「町洋食」10軒だ!

公開日: 更新日:

 ハンバーグやナポリタン、オムライス。日本独自の進化を続けてきた洋食は、いつ食べてもうまい。全国で食べ歩いた洋食店は100カ所以上。食通として知られる料理芸人クック井上。さんにオススメの都内洋食店10軒を教えてもらった。

 ◇  ◇  ◇

「洋食はいまではファミリーレストランで食べられるようになりましたけど、ハンバーグもナポリタンもオムライスも、昔はごちそうでしたよね。お味噌汁と店によってライスがついたりして、本場の人からすれば、あれっ? って思うかもしれませんけど(笑)」

 料理も得意なクック井上。さんは「魔法の万能調味料 料理酒オイル」も出版。食べ歩き仲間と時には1日10軒を巡ることもあるそうだ。

①お座敷洋食入舟(品川区南大井)

 4月中旬、クック井上。さんと本紙記者が訪れたのは、東京東部に位置する2軒。1軒目は、創業1924年のこの店だ。

 JR大森駅から海岸方面に向かって歩くこと7分。大きな一軒家に店名を記した表札が。正面に食堂があるが、左の玄関から建物の中へ。昭和レトロな店内にはカーペットが敷かれた座敷にテーブルが置かれ、江戸の風情を感じる調度品もある。

 4代目の松尾信彦氏によると、この辺りは昔、料亭街だったという。そこには、和食やカニ料理の店だけでなく、中華料理屋や洋食などの店も軒を連ねていたが、当時の料理組合の中で残っているのはこの店だけ。今月10日に100周年を迎えた。

「ちょうど4月10日はボクの長男の誕生日。その日に食べに来ました!」と話すイチオシメニューは店の看板料理の海老フライだ。大きなエビ3匹で1590円。ニューカレドニア産「天使の海老」の大ぶりなものを使用している。その特徴は殻が薄いこと。身はプリプリで、頭のおいしさにも驚かされる。魚介は豊洲市場から毎日仕入れているという。

 アジフライもこだわりの一品だ。

「アジフライの概念が変わります。あまりにもフワフワで、ほんまにアジか? と思います」

 その日のアジは淡路産。価格次第では、漁礁で生まれ育つ瀬付きアジとして名高い愛媛の奥地アジも使う。「アジはぜひ尾ひれまで食べてほしい」と松尾さん。

 毎月25日の給料日から1週間のランチは地元の会社員で混雑する一方、黒塗りの社用車で訪れる航空会社の幹部、馬主や調教師など周辺の食通たちも常連だという。

 良心的な価格は4代目の心意気。老朽化する木造の建物は悩みの種だが、「毎月の修理費が大変で、自分たちで直せるものは直しています。守れる限り、店を守っていきたい」と松尾さんは頑張っている。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋