認知症の親についカッとなってしまう…どう対処すればいい?

公開日: 更新日:

 認知症の方を介護する家族は、診断されてから病気の受け入れに至るまで、4つの心理的ステップをたどります。第1ステップは「戸惑い・否定」、第2ステップは「混乱・怒り・拒絶」、第3ステップは「割り切り、または諦め」、第4ステップは「受容」です。

 中でも第2ステップの時期は、認知症の症状が改善されず介護がますます困難になると、どんなに親や配偶者思いの人であってもどう対応すればいいのか分からず混乱し、怒りの感情が湧き上がってくるのです。

 以前、訪問診療でお会いした80歳の男性は、約20年前に若年性認知症を発症した同い年の妻と2人暮らしをされていました。少しでも妻の力になりたいと、それまで必死に介護をされてきましたが、年齢を重ねるにつれて旦那さん自身の体力も低下し、思うように動けなくなってきたそうです。そんなある日、認知症が進行した妻から昼夜問わず30分おきに「トイレに連れて行ってくれ」、「(食べたばかりなのに)ご飯はまだか」と何度も繰り返し言われたのをきっかけに日頃のストレスが爆発し、皿を投げつけてしまったと相談を受けました。

 このように、第2ステップは認知症介護の中で最もつらい時期とされ、介護者の苦悩は極限に達します。乗り切るコツとして、まずは認知症に対する正しい知識を得る必要があります。どれほど家族思いの人であっても、認知症の正しい知識を持たないと介護は混乱するだけです。本やインターネットなど、気軽に手に取れるものから情報収集するとよいでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」