認知症の親から何度も電話が…どう対処すればいいのか

公開日: 更新日:

「近所に住む母から毎日30分おきに電話がかかってきて、電話に出ないと家まで押しかけてくるのですが……」

 そう話すのは、都内に住む50代の女性認知症の母が暮らす実家から歩いて15分の場所に住んでいて、1日20回以上かかってくる電話に困っていると言います。実際、診察でご家族とお話をする際に受ける相談で多いのが、認知症の方による“電話攻撃”です。

 認知症になると、日時や場所といった、現在、自分が置かれている状況を把握できなくなる見当識障害が見られます。精神面では不安になりやすく、自宅に1人でいると「ここはどこなのか」「家族はどこにいるのか」と、パニック状態に陥り、安心を求めて家族に何度も電話をかけてしまうのです。

 認知症が進行すると、短期記憶障害によって直前の出来事を思い出せず、何度も同じ質問を繰り返すようになります。ですから、家族が「何度も電話をかけないで」といくら伝えても、本人からしてみれば初めて電話をかけたと思い込んでいるので、本人をさらに不安にさせるだけでなく、イライラさせてしまう恐れがあります。とりわけ注意したいのがレビー小体型認知症のケースです。特徴的な症状に「幻覚」があり、幻覚を現実に存在する人物だと見間違い「自宅に不審者がいる」と警察に通報してしまう患者さんも少なくありません。1度や2度であれば警察の方も理解してくれますが、1週間に何度も通報して、そのたびに対応するとなれば家族も疲弊するでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情