週間読書日記
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島田裕巳(宗教学者、文筆家)
7月×日 ようやく今年も半年が過ぎたが、いろいろなことがありすぎた。コロナ・ウイルスのことが大きく影響しているが、非常勤で教えている大学の授業も毎週ズームを使ってやっている。大学まで出かけないですむし…
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越谷オサム(作家)
7月×日 以前はそこそこ混雑していた9時台の電車にも、新型コロナウイルスの影響でちらほら空席が。本読みとしては確実に座れてありがたいことだが、鉄オタとしては鉄道会社の今後が気がかり。 と世を憂…
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安藤祐介(作家)
7月×日 時節柄、室内にこもることが多く、読書も自ずと捗る。薬丸岳さんの「告解」(講談社 1650円+税)を一気に読了。犯罪の「その後」を描き続ける薬丸さんが、加害者本人の視点を中心に描いた今作。ひき…
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藤原智美(作家)
6月×日 自宅で仕事をする作家は、この自粛下でも執筆に支障はない、と思われがちだが、それは違う。外食しないので自炊の手間が増え、コロナ関連の情報に一喜一憂し気持ちが乱れる。原稿は進まず、読書量も減った…
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花房観音(作家)
6月×日 数年前から書きたいと願い続けた、ミステリーの女王・山村美紗の評伝がやっと手を離れ、7月中旬には「京都に女王と呼ばれた作家がいた」というタイトルで本になる。京都に住み、京都を描いている私にとっ…
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草凪優(作家)
6月×日 新型コロナの影響で夜の街にも繰り出せず、最近はもっぱらPCの前で宅飲み。酒の肴はYouTube、アイドルグループ・乃木坂46関連のものばかり観ている。これだけ観てたらそのうち夢にまで出てくる…
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竹内薫(サイエンス作家)
6月×日 4月と5月は、経営するインターナショナルスクールも完全にZOOM授業に移行していた。しゃかりきで準備して、教職員はへとへとだが、なんとか生徒の学力は維持できたか。でも、分散登校が始まり、生徒…
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下村敦史(作家)
5月×日 講談社の担当編集者と電話。コロナの影響があり、日刊ゲンダイで去年連載した「残された命(仮)」の発売時期を相談する。刊行を今年の7月から来年の5月へ延期。 元々室内仕事ではあるものの、…
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早見和真(作家)
4月×日 一連の自粛要請を受け、僕の住む愛媛県松山市の飲食店ものきなみ休業、もしくは営業時間を短縮した。 外食できなくなったのも苦しかったが、より死活問題だったのは、ほぼ毎晩仕事をしていた深夜…
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石井光太(作家)
5月×日 ここ最近は、新型コロナウイルス関連の取材に追われていて、昨日は病院、今日は軽症者を隔離しているホテルへ取材に行った。 病棟はもちろんだが、軽症者用のホテルも隔離は徹底している。1日3…
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宮内勝典(作家)
4月×日 新型コロナウイルスのせいで、家にひき籠もる日々がつづいている。気が滅入って、たまらなく自然の息吹にふれたくなる。 そこで、山尾三省の「びろう葉帽子の下で」(野草社 2600円+税)を…
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佐川光晴(作家)
5月×日 新型コロナウイルスの感染拡大による非常事態宣言が続いている。昨年末に細野晴臣著「とまっていた時計がまたうごきはじめた」(平凡社 1300円+税)を書店の新刊売り場で見つけたときは、まさかこん…
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泉麻人(エッセイスト)
4月×日 件のウイルスの流行下、運動不足解消の意味もこめて閑散とした路地を選んでぶらぶら歩きまわることが多い。すると、今まで渡ったことのない踏切ポイントに出くわしたりする。わがフィールドを走る井の頭線…
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青山美智子(作家)
4月×日 夜中に昨今のあれこれを考えていたら眠れなくなり、和みを求めて益田ミリさんの「僕の姉ちゃん的生活 明日は明日の甘いもの」(マガジンハウス 1200円+税)に手を伸ばす。シリーズ4作目、姉と弟の…
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内山昭一(昆虫料理研究家)
4月×日 新型コロナウイルスが猛威を振るっている。家に籠る日が多い昨今、松原始ほか著「じつは食べられるいきもの事典」(宝島社 1200円+税)は示唆に富んでいる。総ルビ付きなので子どもから大人まで楽し…
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鏑木蓮(作家)
4月×日 現在「潮WEB」に連載中の「見えない階(きざはし)」は、精神科医が探偵です。また執筆中の作品も内科医が謎を解きます。 多くの資料を求めて書店や古書店巡りをするところですが、新型コロナ…
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上野千鶴子(東京大学名誉教授 社会学者)
3月×日 林真理子さんの「我らがパラダイス」の文庫が刊行された。そこにご本人から頼まれて解説を執筆した。 セレブの入居する高級老人ホームをめぐって、富裕層の入居者と下流の職員たちが悲喜こもごも…
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坂爪真吾(一般社団法人ホワイトハンズ代表理事)
3月×日 2020年1月10日、下北沢で作家の雨宮処凛さんと拙著「性風俗シングルマザー」(集英社 880円+税)の出版記念トークイベントを行った。 トークの中で、1990年代のサブカルチャーの…
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阿部治(立教大学教授)
2月×日 台湾に出張予定であったが、コロナウィルスの影響でやむなく中止した。 この機会に「脱プラスチックへの挑戦 持続可能な地球と世界ビジネスの潮流」(堅達京子+NHKBS1スペシャル取材班著…
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正津勉(詩人)
3月×日 この1ヶ月余り、森内俊雄著「一日の光あるいは小石の影」(アーツ・アンド・クラフツ出版委員会 3800円+税)を枕許に置いている。著者、84歳。帯に「三十余年のエッセイ集成」とある。190篇ほ…