企業深層研究
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ダイハツ工業(上)品質不正は64車種に…なぜトヨタグループでこうした不正が続発するのか
暮れも押し迫った昨年12月20日、ダイハツ工業の品質不正を調査した第三者委員会は報告書を公表した。4月、従業員の内部告発でドアトリム、5月にはポール側面衝突試験での不正が発覚。第三者委員会の調査の結…
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ブックオフグループHD(下)リセール市場の主役に 赤字転落からの逆転劇
直営、FCを合わせ全国で800店舗あるブックオフ。展開するブックオフグループホールディングスの創業は1990年にまでさかのぼる。 書籍は再販価格維持制度の対象。つまり値引き販売ができない商品…
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ブックオフグループHD(上)ジリ貧かと思いきや…書籍以外の新ジャンルで成長軌道に乗る
♪本を売るならブックオフ~ 誰もが一度は聞いたことがあるCMソングだ。 全国に800店舗を構えるブックオフ(企業名はブックオフグループホールディングス)。その名の通り、中古本の買い取…
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大正製薬HD(下)「国際派」の4代目・上原茂氏がグループの真のオーナーへ
大正製薬HDの新しいオーナーになる副社長の上原茂氏とはどんな人物なのか。1976年5月5日、上原明(現・大正製薬HD社長)の長男として東京都に生まれた。幼少時から“中興の祖”である曽祖父母の上原正吉…
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大正製薬HD(上)過去最大のMBOは祖父・父から子への相続が狙いか
株式市場で自発的に上場を廃止する企業が増えてきた。東京証券取引所が企業に株価を意識した経営に取り組むよう要請、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業に改善を求めたことが背景にある。物言う株主からの利…
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ニデック(下)お家芸のM&Aを駆使、工作機械で世界一を目指すも…気になる後継者問題の行方
ニデックは2030年度に売上高10兆円達成を標榜している。同社の成長の原動力がM&A(合併・買収)である。1984年以降、72件のM&Aを実現。総合モーター会社に変貌した。M&Aはモーターや半導体、…
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ニデック(上)TAKISAWAを“同意なきTOB” 永守重信会長は「M&Aの新たなモデルケースになる」
ニデック(旧・日本電産=東証プライム)は2023年11月、工作機械メーカーのTAKISAWA(旧・滝沢鉄工所=東証スタンダード)にTOB(株式公開買い付け)を実施し、応募があった株式の全てを取得した…
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東レ(下)“繊維営業スペシャリスト”大矢光雄社長に期待されるのは「マーケット発想力」
「素材には、社会を変える力がある」──これは東レのカンパニースローガンだ。新しい素材を開発することで社会課題を解決する決意を示している。 例えば、炭素繊維が飛行機の主要部材に使われたことで、機…
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東レ(上)素材産業を代表する科学メーカー “黒いダイヤ”をはじめ技術力はピカイチ
失われた30年の間に、日本企業の国際的地位は大きく低下した。1990年の世界銀行ランキングのトップ10には日本の銀行が6行入っていたが、今ではゼロ。家電や半導体なども世界をリードしていたが、今や韓国…
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熊谷組(下)住友林業との資本提携は失敗だったのか? 大手ゼネコンに握られた住宅メーカーの生命線
香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントは今年5月29日、熊谷組の「ガバナンス改革」に関する声明を公表した。 「オアシスは熊谷組の株主の皆さまに対し、戦略検討委員会の設置議案に賛成するよう求…
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熊谷組(上)北海道新幹線のトンネル工事で虚偽報告 31年春の延伸開業が困難な情勢に
日本企業に対して自社株買いの実施や政策保有株式の売却などを求めるアクティビスト(物言う株主)の動きが活発化している。株価純資産倍率(PBR)1倍超えの改革を企業に促す、東京証券取引所の流れは、物言う…
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そごう・西武(下)ヨドバシ進出なら家電“池袋戦争”が勃発する
そごう・西武の米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループへの売却は誤算続きだった。家電量販店ヨドバシカメラを傘下に置くヨドバシホールディングス(HD)の影がちらついていたからだ。ヨドバ…
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そごう・西武(上)西武池袋本店は高級ブランドをつなぎ留められるか
そごう・西武は11月1日付で、プラダジャパン前社長のダヴィデ・セシア氏が取締役執行役員副社長に就任した。大手百貨店の役員にラグジュアリーブランド(歴史ある高級ブランド)出身の外国人が就任するのは異例…
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カシオ計算機(下)増田裕一新社長が呼びかけた「忖度無用」の意味
今年4月1日、「初の創業家以外」「前社長より新社長が11歳年上」という異例ずくめの社長交代に踏み切ったカシオ計算機。その裏には現在の閉塞感を打破したいとの思いがあった。 カシオの前3月期決算…
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カシオ計算機(上)年齢逆転人事が話題…初の“サラリーマン社長”増田裕一氏の実力は
カシオ計算機の時計ブランド「Gショック」は、今年、発売40周年を迎えた。日本にはセイコー、シチズンの2大時計メーカーがありカシオははるかに後発だが、それでもGショックブランドは、世界で一定の地位と評…
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サッポロHD(下)物言う株主は自己資本利益率の低さを問題視
サッポロホールディングス(HD)は2022年11月に26年を最終年度とする中期経営計画を策定した。新中計を巡っては、シンガポールに拠点を置く投資ファンド、3Dインベストメント・パートナーズ(以下3D…
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サッポロHD(上)若者のビール離れに既存ブランドの強化で対応
2023年10月から酒税が改正された。それに合わせて、ビール大手各社が対応策を打ち出した。今回のビール税の下げは、26年に予定される次の改正と合わせ3段階で予定される税制改正の一環だ。 ビー…
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オープンハウスグループ(下)創業社長の荒井正昭は規格外の行動力
オープンハウスグループ(東証プライム上場)の創業社長・荒井正昭(57)はすこぶる気前がいい。 今年2月、東京ヤクルトスワローズのトップスポンサーとして、村上宗隆選手に対し2022年シーズンの…
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オープンハウスグループ(上)“黒い交際”の三栄建築設計を買収、三井住友銀がTOBの橋渡し役に…
オープンハウスグループ(以下オープンハウス=荒井正昭社長、東証プライム)は、戸建て住宅の三栄建築設計(千葉理恵社長、東証プライム)を買収し、完全子会社にした。 8月17日から9月28日までT…
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ツルハHD(下)イオンは再々編にどこまで踏み込むのか…考えられる2つのシナリオ
ドラッグストア業界は、訪日観光客の爆買いがなくなったこと、薬剤師が不足していること、コロナ禍で食品スーパーとの競合が激化したことによって、成長が鈍化してきた。だが、株式市場では脱コロナの流れに乗って…