ますます広がる「カテーテル治療」で懸念される問題点
前回、日本初となる三尖弁閉鎖不全による逆流に対するカテーテル治療用デバイスが登場したことについて取り上げました。
これで、大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、三尖弁と、心臓にある4つの弁すべてがカテーテル治療の対象になることになります。それぞれの治療法は、TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)、TEER(経皮的僧帽弁接合不全修復術)、TPVI(経カテーテル的肺動脈弁置換術)、T-TEER(経カテーテル三尖弁接合術)と呼ばれています。
これまでにもお話ししているように、カテーテル治療は太ももの付け根などからカテーテルを挿入し、心臓まで到達させて患部の処置を行います。胸を大きく切開しなくて済むうえ、人工心肺装置を使って心臓を止める必要もないため、患者さんの負担は大きく軽減します。入院期間も短くなるので、近年では患者さん側もまずはカテーテル治療を選択するケースが主流になっています。三尖弁閉鎖不全もカテーテル治療の対象になったことで、心臓弁膜症に対する治療もますますカテーテル治療が広まっていくのは間違いないでしょう。


















