「肥満」は心臓を大きくさせて深刻なトラブルにつながる
心臓の健康を守るうえで、「心臓の大きさ」が重要な指標になるということを以前お話ししました。心室の壁が厚くなる心肥大にしろ、心臓の内径が広がって容量が大きくなる心拡大にしろ、なんらかのトラブルが原因で「心臓が大きくなければ全身に血液を送り込めない」という状況になっているのです。
心臓が大きくなる原因はさまざまで、これまでそれらの病気について説明してきましたが、「肥満」にも注意が必要です。
肥満、とりわけ内臓脂肪型の肥満になって腹部に脂肪がたまると、腹部の臓器に押されて横隔膜が上がって肺活量が減ります。すると、心臓は横方向にしか膨らむことができなくなり、横向きに寝た状態に変形してしまいます。本来、心臓は縦向きなので、横向きになった状態でレントゲンを撮ると、横方向に大きくなったシルエットが写ります。その結果、見た目で「心臓が大きい=心拡大」と指摘されることになるのです。
多くの場合、心臓自体が大きくなっているわけではないので、心臓にトラブルがあるケースは少ないと考えていいでしょう。ただし、肥満によって心臓が横向きに寝た状態のまま放置していると、命に関わるような心臓トラブルを招くリスクがあります。「大動脈解離」を起こす要因になるのです。


















