女性の「更年期障害」は心臓病の死亡リスクをアップさせる
女性は男性より心臓病が重症化しやすく、死亡率が高い──。そんな傾向があることをこれまで何度かお話ししてきました。
たとえば、「大動脈弁狭窄症」は高齢女性になると発病の男女差が縮まることが知られています。血液の逆流を防止する大動脈弁が硬くなって開きにくくなり、血液の流れが悪くなって重症化すると突然死するケースもある病気で、経年劣化して勤続疲労した大動脈弁が急激に硬化して生じるとされています。
また、「急性心筋梗塞」では男性よりも女性の方が死亡率が高いという報告もあります。動脈硬化などが原因で冠動脈に血栓が詰まり、心臓の筋肉に酸素や栄養が行き渡らなくなる病気で、そのまま放置すると心臓のポンプ機能が障害される程度によっては死に至ることもあります。東北大チームの研究では、急性心筋梗塞の患者数は女性に比べて男性の方が約3倍多いのですが、死亡率は女性の方が高いことがわかっています。
こうした傾向が見られる理由のひとつとして指摘されているのが女性ホルモンの影響です。女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには血管内皮を保護する作用をはじめ、血管のしなやかさを保って血管径を維持し、LDL(悪玉)コレステロールを減らしてHDL(善玉)コレステロールを増やす作用など、多岐にわたって血管や心臓を守る働きをしています。そのため、エストロゲンの分泌が十分な年代では、動脈硬化や高血圧を防いで心臓病にかかりにくいといえます。


















