著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

皮膚トラブル「老人性乾皮症」はいかにかゆみを抑えるかが重要

公開日: 更新日:

 人間は加齢とともに体のあらゆるところに変化が起こり、皮膚も例外ではありません。それに伴う皮膚トラブルが、高齢者によくみられます。

 高齢者の皮膚トラブルで最も多いのが皮膚の乾燥によるかゆみです。あまり良い言葉とはいえませんが、これを「老人性乾皮症」といいます。

 加齢とともに皮膚には主に①皮脂の減少、②角質に存在する可溶性低分子物質の減少、③角質の厚みの増加といった変化が起こります。

 さらに、若年者に比べて細胞内の水分量が少なくなるため、これらによっていわゆる乾燥肌になりやすく、かゆみが出現します。衣服と接触する(擦れる)頻度や度合いの影響もあり、足に症状が出ることが多いですが、腕や背中など全身に出るケースもあります。かゆみが主訴なので当然かきむしってしまうことも少なくありません。そうなるとさらに皮膚が荒れてしまうことになるため、いかにかゆみを抑えるかが重要です。

 かゆみの原因は皮膚の乾燥にあるので、治療薬としては「保湿剤」が選択されることが多いです。保湿剤には皮脂を補って皮膚に被膜を形成するものや水分と結合して角質の水分量を増やすものなどがあり、症状や原因によって使い分けられ、場合によっては複数の保湿剤が併用されることもあります。

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