著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

稀な疾患に用いられる「オーファンドラッグ」が重要な理由

公開日: 更新日:

「オーファンドラッグ」という言葉を聞いたことがありますか? 日本語にすると「希少疾病用医薬品」で、その名の通り稀な疾患の治療に用いられるクスリのことです。

 もしかしたら、現在使っているという方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの方がご存じないものでしょう。しかし、医療では欠かすことのできないものなので、今回は簡単に紹介したいと思います。

 オーファンドラッグとは、日本における患者数が5万人未満で、治療の必要性が特に高い疾患のためのクスリのことで、厚生労働大臣が指定しています。本来、オーファン(Orphan)とは「孤児」という意味になり、決して良い言葉ではありません。こういったクスリは希少疾患に用いられるため、製薬会社としては開発にかかる費用に対して利益が得られず、積極的に開発されてきませんでした。それを踏まえて、孤児のようなクスリという意味でオーファンドラッグと呼ばれるようになったのです。

 オーファンドラッグはその性質上、どうしても薬価が高く設定され、結果として医療にかかる費用も高額になります。そうなると、いくら保険診療で全額自己負担ではないといっても、希少疾患に罹患したうえに高額なお金(クスリ代)もかかることになってしまい、まさに踏んだり蹴ったりになってしまいます。しかし、そこはご安心ください。国の指定難病であれば医療費助成が受けられます。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち

  4. 4

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  5. 5

    クマと遭遇しない安全な紅葉スポットはどこにある? 人気の観光イベントも続々中止

  1. 6

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲

  4. 9

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  5. 10

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が