稀な疾患に用いられる「オーファンドラッグ」が重要な理由
「オーファンドラッグ」という言葉を聞いたことがありますか? 日本語にすると「希少疾病用医薬品」で、その名の通り稀な疾患の治療に用いられるクスリのことです。
もしかしたら、現在使っているという方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの方がご存じないものでしょう。しかし、医療では欠かすことのできないものなので、今回は簡単に紹介したいと思います。
オーファンドラッグとは、日本における患者数が5万人未満で、治療の必要性が特に高い疾患のためのクスリのことで、厚生労働大臣が指定しています。本来、オーファン(Orphan)とは「孤児」という意味になり、決して良い言葉ではありません。こういったクスリは希少疾患に用いられるため、製薬会社としては開発にかかる費用に対して利益が得られず、積極的に開発されてきませんでした。それを踏まえて、孤児のようなクスリという意味でオーファンドラッグと呼ばれるようになったのです。
オーファンドラッグはその性質上、どうしても薬価が高く設定され、結果として医療にかかる費用も高額になります。そうなると、いくら保険診療で全額自己負担ではないといっても、希少疾患に罹患したうえに高額なお金(クスリ代)もかかることになってしまい、まさに踏んだり蹴ったりになってしまいます。しかし、そこはご安心ください。国の指定難病であれば医療費助成が受けられます。