著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

「献血」で提供された血液から作られる“クスリ”がある

公開日: 更新日:

 高齢者の中には、「献血」をしたことがあるという方もたくさんいらっしゃると思います。中には、逆に輸血を受けたことがあるという方もいらっしゃるでしょう。

 献血で提供された血液からは、輸血製剤(輸血用血液製剤)が作られます。多くの方が思い浮かべるのが赤い色の輸血製剤ではないでしょうか。赤い色の輸血製剤の多くは赤血球製剤といい、その名の通り主に赤血球を補充するために用いられます。ただ、輸血製剤には他にも血漿(けっしょう)製剤、血小板製剤、全血製剤(これも赤血球が含まれるため赤いです)といった種類があり、体に不足している成分がなんなのかによって最適な製剤が選択されます。

 そんななか、献血からはクスリとして用いられるものも作られており、それらをひとまとめにして「血漿分画製剤」といいます。血漿とは簡単にいうと血液から血球成分(赤血球、白血球、血小板)を取り除いたものになります。この中にはタンパク質が含まれていて、そのタンパク質がクスリとして用いられているのです。

 その代表的なものとして、「アルブミン」と「γグロブリン」が挙げられます。アルブミンは血液中に含まれているタンパク質の中で最も多いもので、主な役割は浸透圧(水を引っ張る力)を保つことで血管内に水を保持することです。アルブミンが少なくなると、血液の浸透圧が低くなることで血管内に水が保持できなくなってしまい、ひどくなると浮腫(むくみ)や胸水、腹水が出ることもあります。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  2. 2

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    草間リチャード敬太“全裸騒動”にくすぶる「ハメられた」説…「狙った位置から撮影」「通報が早い」と疑問視する意見広がる

  5. 5

    維新の「議員定数1割削減」に潜む欺瞞…連立入りの絶対条件は“焼け太り”狙った露骨な党利党略

  1. 6

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  2. 7

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 8

    「これが寝るってことだ」と感激…女優の岡崎友紀さん変形性股関節症との苦闘

  4. 9

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  5. 10

    公然わいせつ容疑で逮捕→釈放も“連帯責任”…Aぇ! group草間リチャード敬太の芸能界復帰はイバラの道