著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

脳梗塞に使われる「フリーラジカルスカベンジャー」は発症24時間以内でなければ投与できない

公開日: 更新日:

 高齢になり、長年の生活習慣によって動脈硬化が進行したときに起こる病気のひとつに「脳梗塞」があります。場合によっては麻痺などの後遺症が残ることもあるため、かかりたくない病気のひとつでしょう。

 万が一、脳梗塞になってしまったとしたら、やはり治療が重要となります。脳梗塞の治療としてはクスリで血をサラサラにして血栓を予防するのが一般的ですが、特に急性期(発症後しばらくの期間)ではもうひとつ重要なクスリがあります。「フリーラジカルスカベンジャー(成分名:エダラボン)」と呼ばれるものです。なんだかヒーロー戦隊の名前みたいに聞こえますよね。「スカベンジャー」の日本語の意味のひとつに「体内の不要物質や毒性物質を処理する器官・細胞・物質」があります。つまり、フリーラジカルスカベンジャーとは、フリーラジカルという物質を処理するクスリのことです。

 脳梗塞は血栓などによって脳の血流が阻害され、脳組織が壊死する病気です。要は血流がなくなった脳の部位がダメージを受けるわけですが、話はそれだけでは終わりません。ダメージを受けた部位の周囲から活性酸素などの有害物質が発生し、本来ダメージを受けていない脳細胞も壊死してしまうのです。この活性酸素などの総称をフリーラジカルといいます。フリーラジカルスカベンジャーはこういった有害物質の働きを抑えることで、健常な脳組織を守るクスリになります。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  2. 2

    ソフトB近藤健介の原動力は「打倒 新庄日本ハム」…憂き目にあった2022年の“恩返し”に燃える

  3. 3

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省に一喝された過去

  1. 6

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  2. 7

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  3. 8

    藤浪晋太郎に日本復帰報道も、古巣阪神出戻りは「望み薄」…そして急浮上する“まさか”の球団

  4. 9

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 10

    自民・鶴保失言「運のいいことに地震」で苦戦の二階ジュニアに赤信号…参院選“仁義なき紀州戦争”決着か