著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

医療者は「妊婦」に処方するクスリには毎回とても慎重になる

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 妊娠16週以降は「胎児の発育に影響を及ぼす薬物」に注意が必要になります。胎児の血管を収縮させる薬物や、腎臓の機能に影響を及ぼす薬物のように直接胎児に影響のあるものだけでなく、母体の羊水を減らすような薬物も胎児の発育環境を悪化させるため、注意が必要です。

 また、「投与経路」にも注意しなければなりません。同じ成分であっても、静脈注射では血液中の薬物の濃度が急に上昇するため、内服に比べると胎児への影響が大きくなる可能性があるのです。

 ひとつ実例を挙げると、みなさんは「サリドマイド事件」をご存じでしょうか。睡眠作用があるサリドマイドは、主に睡眠薬として1950年代後半に使われていました。ところが、サリドマイドには強い催奇形性があることで、妊婦が服用したときに「サリドマイド胎芽症」と呼ばれた奇形を持った新生児が生まれ、それが世界規模で起こってしまったのです。

 そのため、日本ではサリドマイドは1962年にいったん販売中止となりましたが、多発性骨髄腫という病気に効果があることが明らかになり、2008年から再び使われるようになりました。このような催奇形性が強い薬物の場合、妊婦はもちろん男性が使用した場合でも胎児に影響が出る可能性が高いため、投与中および投与終了4週間後まで徹底した避妊が必要となります。

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