著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

2026年秋に高齢者向けの新たなインフルエンザワクチンが登場

公開日: 更新日:

 インフルエンザワクチンは、流行前に免疫を確保するため10~11月ごろに接種するのが理想的とされています。今回はインフルエンザワクチンの話題です。

 高用量インフルエンザHAワクチン「エフルエルダ筋注」(以下エフルエルダ)が、来年の秋から60歳以上の高齢者を対象に使用可能となる見込みです。本来、今年の秋の発売予定だったのですが、来年に延期となったようです。

 このワクチンは、抗原量を従来の4倍に強化した高齢者のためのワクチンです。高齢になると「免疫老化」と呼ばれる現象が進み、標準ワクチンでは抗体が十分に作れないケースが少なくありません。しかしエフルエルダは、国内Ⅲ相試験では標準ワクチン比で抗体価2.3~3.1倍向上と確認されています。さらに海外試験では、インフルエンザ発症リスクの24%低下、入院や肺炎・心肺イベントの発生率も抑えられたとの結果が報告されているのです。

 エフルエルダは、60歳以上の方に1回0.7ミリリットルを腕の筋肉内に注射して使用します。以前、新型コロナワクチンを取り上げた際にも少し触れましたが、ワクチン投与の世界標準は皮下注射ではなく筋肉注射です。筋肉注射のほうが接種部位の副反応が少なく、ワクチンの効果が高いためです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    彬子さま三笠宮家“新当主”で…麻生太郎氏が気を揉む実妹・信子さま「母娘の断絶」と「女性宮家問題」

  4. 4

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  5. 5

    ヤクルト池山新監督の「意外な評判」 二軍を率いて最下位、その手腕を不安視する声が少なくないが…

  1. 6

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  2. 7

    違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた

  3. 8

    大麻所持の清水尋也、保釈後も広がる波紋…水面下で進む"芋づる式逮捕"に芸能界は戦々恐々

  4. 9

    “行間”を深読みできない人が急増中…「無言の帰宅」の意味、なぜ分からないのか

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発