著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

“やせ薬”はサポート役…運動や食事の見直しなしでは健康的にやせることはできない

公開日: 更新日:

 最近、“やせ薬”に関する話題をよく耳にします。たしかにここ1~2年、肥満症に対する医薬品が新たに発売され注目されています。

 まず有名なのが「オルリスタット(商品名:アライ)」です。これは食事脂肪吸収を抑える薬で、体に入る前に油を追い出すタイプの内服薬です。米国などでは市販薬として使用されており、日本でもOTC薬として薬局で購入することが可能となりました。効果は確かにありますが、油分がそのまま排出されるため油便や下痢、便失禁といった副作用が出やすいのも事実です。また、脂溶性ビタミンなどの吸収低下にも注意が必要です。高脂肪食が前提の薬なので、油の少ない和食中心の生活だと、効果が出にくいケースも考えられます。

 他にも「セマグルチド(商品名:ウゴービ)」なども注目されています。もともと糖尿病の治療薬ですが、近年、GLP-1受容体作動薬として肥満症治療にも使用されるようになりました。週1回の注射で、食欲を抑え、血糖値を安定させるという仕組みです。ただし、吐き気、便秘、膵炎などの副作用にも注意が必要です。また、自己判断での使用は禁物で、医師の管理下で使う薬です。これら新しい薬以外にも「マジンドール(商品名:サノレックス)」など肥満症に対して30年以上前から使用されている薬も存在します。マジンドールは中枢神経に作用し、食欲を直接抑える薬です。日本では重度肥満の患者に限って処方されます。

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