著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

「漢方薬」の名前には製法のヒントが隠されている

公開日: 更新日:

 漢方薬の名前には末尾に「湯」「散」「丸」といった文字が付いていることにお気づきでしょうか? じつはこれ、「薬のつくり方」に由来しています。つまり、漢方薬の名前には製法のヒントが隠されているのです。

 まずは「湯」。これは読んで字のごとく、お湯に煎じて飲むタイプの薬です。昔は薬草を土鍋でじっくりと煮出し、その湯液を服用していました。現代ではエキス顆粒として販売されていることが多いのですが、「葛根湯」「小青竜湯」など末尾が湯の薬は、お湯に溶かして服用することで、生薬の香りや成分が立ち上がり、より効果的に作用すると考えられています。可能であれば、お湯で溶かしてゆっくり飲むことをおすすめします。

 次に「散」。これは、生薬を粉末状にして服用するタイプです。今のような煎じ器がなかった時代、薬草を細かく砕いて飲んでいたのです。代表的なものに「当帰芍薬散」「加味逍遥散」などがあります。粉薬のようにサッと飲める手軽さが特徴で、エキス顆粒にしても比較的飲みやすいものが多く見られます。

 そして「丸」。粉末状の生薬に蜂蜜などを加えて練り、丸めたものがルーツです。「桂枝茯苓丸」「八味地黄丸」などがその代表です。かつての丸薬は固形のため、ゆっくりと溶けて持続的に作用するとされていました。また、丸薬は携帯しやすく、当時の飲み忘れ防止策でもあったといいます。

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