アプリが薬になる…DTx(デジタル治療)は新しい医療のかたち
最近、医療業界でじわじわと注目されている言葉があります。それが「DTx(Digital Therapeutics)」、日本語では「デジタル治療」となります。「治療用アプリ」や「デジタル薬」などと呼ばれるケースもあり、耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
DTxは医師が処方し、保険適用されることが一般的なヘルスケアアプリとの大きな違いです。スマホやタブレットのアプリを使って、治療そのものを担う新しい医療のかたちです。
たとえば、「禁煙支援アプリ」があります。患者さんがアプリを使いながらニコチン依存を自己管理し、医師や薬剤師がそのデータをモニタリングすることで、禁煙成功率が高まる--そんな研究結果も出ています。他にも、糖尿病、不眠症、慢性疼痛、うつ病など、慢性疾患や生活習慣病の“習慣そのもの”を治療の対象にするようなアプリが続々と保険適用に向けて開発されています。「え、アプリが薬になるの?」と思われるかもしれませんが、これらは医薬品のように厚生労働省の承認を受けた「治療用アプリ」で、医師の処方が必要となります。