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荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

今だからこそ「薬剤師がワクチンを打つこと」を冷静に議論すべき

公開日: 更新日:

 国民民主党の田村麻美参議院議員は6月17日の参院厚生労働委員会で、感染症危機発生時にワクチン接種の担い手として薬剤師を加えることを検討するよう求めました。それに対し、政府は「有事に必要な打ち手を確保できるよう厚生労働省で検討していく」とし、担い手追加の明言は避けました。

 新型コロナウイルスのワクチン接種が全国的に進んだ2021年、多くの自治体で「ワクチンを打つ人手が足りない」という声が上がりました。そこで一時的に浮上したのが、薬剤師を“打ち手”に加える案でした。

 当時、私を含め多くの薬剤師が、打ち手不足に備えてワクチン接種に係る研修に参加しました。しかし、そのときは実現に至りませんでした。

 2022年に政府の検討会が公表した報告書では、感染症発生時に医師、看護師以外にワクチン接種の担い手となることが適当な職種として、歯科医師、救急救命士、臨床検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士の5職種が挙げられています。ちなみにアメリカ、カナダ、イギリスなど多くの国では、薬剤師がワクチン接種を行うのはごく一般的なことです。地域のドラッグストアで、インフルエンザや新型コロナのワクチンを薬剤師が接種している姿は日常の風景。専門の研修を受け、接種技術と緊急時対応を身につけた薬剤師が、医療アクセスのハブとして機能しています。

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