著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

普段から使っている薬が海外では「危険薬物」になるケースがある

公開日: 更新日:

 飛行機に搭乗する前、保安検査場で「この薬は何ですか?」とたずねられ、慌てて説明した経験はありませんか? じつは「医薬品の機内持ち込み」は、私たちが思っている以上に“慎重な準備”を要する行為なのです。薬は治療のための道具であると同時に、国や空港によっては「規制物質」として扱われることがあるからです。

 たとえば、睡眠薬や抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)、向精神薬、麻薬性鎮痛薬などは、多くの国で「麻薬・向精神薬に関する規制法」に基づく制限対象です。日本では普通に処方される薬でも、入国先では麻薬とみなされ、没収、入国拒否、最悪の場合は拘束というトラブルに発展することがあります。実際、海外では鎮痛薬のコデイン配合剤を持ち込んだ旅行者が拘束された事例も報告されています。

 薬を持ち込む場合は、国ごとに規制や持ち込み許可のルールが異なるため、渡航前に出発空港の税関相談窓口や、訪問国の大使館・領事館に問い合わせ、必要書類や申請方法を確認しておくことが欠かせません。さらに保安検査、および入国時の通関をスムーズにするためにも英文の診断書や薬剤情報提供書を携行し、「これは医師の指導に基づく治療薬である」と説明できるようにしておくとより安心です。

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