パリ五輪マラソン勝負のカギは…タフな高低差より「人が死ぬほどの暑さ」対策にあり

公開日: 更新日:

東京五輪は苦しい思いというか環境面でも苦しい部分があったが、パリではこれ以上の苦しみはないと思うので、自分らしくしっかり走りたい」

 パリ五輪女子マラソン日本代表に内定した前田穂南(27)が12日、会見で意気込みを語った。

 現地のマラソンコースは高低差156メートル。起伏に富むというより「心臓破り」のコースで「五輪史上最も厳しいレースになる」といわれている。コースの厳しさばかりが指摘されているが、勝負のカギを握るのは所属する天満屋の武冨監督もいうように暑さ対策だ。

 女子マラソンは陸上競技の最終日、8月11日午前8時にスタートする。一昨年の欧州は記録的な猛暑で6万人以上(推定)が死亡。フランスでは7月に40度を超えた地点が続出し、世界の平均気温が観測史上最高を記録した去年の8月は、パリの最高気温は30度を超え、最低気温も20度を下回らない日があった。

 パリの湿度は日本より低いとはいえ、朝から昼に向かって気温は上昇。選手はアップダウンの激しいコースで暑さと戦わなければならない。ちなみに東京五輪の女子マラソンは記録的な暑さのため、前日夕方に突如スタート時間が朝7時から1時間繰り上げられた。パリ五輪もあらゆることを想定しておくべきだ。

  ◇  ◇  ◇

●マラソンはパリ五輪をもって五輪競技から抹消される可能性がある。2021年東京五輪では開催地が東京から一転、北海道に変更されるなど“予兆”があったことは記憶に新しい。●関連記事【もっと読む】…も必読だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった