著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

夏季五輪からマラソン消滅も…世界陸連コー会長がIOC会長選へ出馬意欲、“大改革”に現実味

公開日: 更新日:

 パリオリンピックは無事に幕を下ろした。

 “近代五輪発想の地”らしく独創的で、多様性の時代を象徴した大会として語り継がれるだろう。マラソンの変化が興味深い。

 6位に入った鈴木優花は、夏は花火・冬は大雪の秋田県大仙市出身。所属する第一生命のグラウンドに雪が積もった今年2月、雪かきができたのは鳥取出身の山下佐知子監督(当時)と鈴木だけだったそうだ。赤崎暁の6位とともにアフリカ勢をかき分けた入賞は立派だ。

 マラソン運営は管理が難しく、ロンドン大会から周回コースが採用されてきた。

 今回は、ルーブル美術館からセーヌ川に沿ってエッフェル塔を眺めベルサイユへ……名所旧跡めぐりはともかく、2万5000人の市民ランナーも参加し、報道されなかったが大熱狂だったという。156メートルの高低差が驚きだ。

 世界陸連(WA)が、42メートルを超す下りコースを省き、ロードレースの記録公認に踏み切ったのは20年前。勝負から記録へ舵を切り、アフリカの台頭、ナイキ社の厚底シューズ出現でマラソンの記録はサブ2(2時間切り)目前に迫る。ただ、第1回アテネ大会のコースは最大高低差215メートルあった。パリのマラソンは革命的な原点回帰といえ、ロード記録への解釈修正と考えられる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波