福岡国際Vの吉田祐也は青学大OB初の代表になれるか…競技続行のために内定辞退した“努力の天才”

公開日: 更新日:

 この優勝は大きい。

 来年9月の世界陸上東京大会の代表選考会を兼ねた福岡国際マラソンで、青学大OBの吉田祐也(27)が4年ぶり2度目の優勝を飾った。2時間5分16秒は大会新記録で日本歴代3位。世界陸上の参加標準記録(2時間6分30秒)も楽々クリアした。

 吉田は青学時代の20年に別府大分で日本人トップの3位に入り、注目選手になった。当時、大学卒業後はマラソンは引退して菓子メーカーへの就職が内定していたが、マラソンを続けるために内定を辞退。インターネット事業を手がけるGMOで競技続行を決めた変わり種だ。

 来年の世界陸上マラソン代表内定の条件は、ジャパン・マラソン・チャンピオンシップ(JMC)シリーズⅣのチャンピオン(第108回日本選手権者)で参加標準記録突破した者と基準ワールドランキングで資格を得た者だが、JMCのポイントレースでは今回優勝した吉田がトップに立ち、代表入りに大きく前進した。

 箱根では過去10年で7度の優勝を誇る青学大だが、不思議なことにこれまで五輪や世界陸上のマラソン代表は出ていない。今も吉田を指導している原監督によれば「素質はなかったが、練習でこれだけの選手になった。努力の天才」という。その吉田が青学大OBとして初めて母国開催の世界陸上で日の丸をつけるかもしれない。 

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • その他のアクセスランキング

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  3. 3

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  4. 4

    【徹底分析】2027年ラグビーW杯組み合わせ決定 日本悲願の「8強入り」をプロが占った

  5. 5

    カーリング「ロコ・ソラーレ」代表落ちでも大人気!《SNSの投稿はまるでアイドル》の指摘も

  1. 6

    マラソン大迫傑を快速にするチャイナマネーパワー…日本記録“1秒更新”に「ボーナス狙い」の声も

  2. 7

    広陵高の暴力問題が話題だが…私は世羅高3年で主将になって、陸上部に蔓延する悪習を全て撤廃した

  3. 8

    私には女子陸上界の構造改革という壮大な夢がある…「ずっと続けたい」と思わせる魅力ある場所へ

  4. 9

    ロコ吉田知那美が初代アジア主将に選出も…カーリング世界初のプロリーグ参加に高すぎるハードル

  5. 10

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」