ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?
ウエルシアホールディングス(HD)とツルハホールディングス(HD)は12月1日に経営統合した。両社を単純合算した売上高は2兆3000億円、店舗網は5600店を超える。業界2位のマツキヨココカラ&カンパニー(2025年3月期売上高:1兆616億円)の2倍超の規模を持つ、巨大ドラッグストアチェーンの誕生だ。
ウエルシアは関東近郊を地盤に、全国に2925店(11月末時点)を展開する。深夜営業や調剤薬局の併設率が8割弱と業界でも高いことが特徴だ。M&A(合併・買収)を駆使して規模を拡大し、業界トップに躍り出た。14年にイオンの連結子会社となり、同社のヘルス&ウエルネス事業の中核を担っている。
一方、ツルハは札幌市東区に本社を置き、全国に2684店舗(10月末時点)を展開する。プライベートブランド(PB)の種類が豊富で、PB売り上げは業界トップ。また、薬機法の改正によるOTC医薬品の販売解禁を見据え、調剤併設店を増やしている。1995年からイオンと資本業務提携している。
「統合の狙いは、スケールメリット(規模の経済性)の追求にある」(メガバンク幹部)。規模拡大により、薬剤などの仕入れコスト削減や物流網の効率化が期待できるためだ。「ツルハHDの物流子会社で組織を改編し、調達コストの低減が見込まれているほか、仕入れの共同化や新PB開発、ポイント施策などが想定されている」(同)という。統合のシナジー(相乗効果)は、統合後3年間で500億円と見込まれている。


















