「中東の現場を歩く」川上泰徳著

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 アラブの若者が大挙して〈イスラム国〉に行くのを、洗脳されているからだとか、現実に絶望しているからだとするのが欧米やアラブ諸国の見方だが、そんなことで何万人もの若者が動くことは考えられない。

〈イスラム国〉による虐殺ばかりが報道されているが、実はシリアの死者のうち87%はアサド政権による死者である。米軍の攻撃でも多くのシリア人が殺されているのを見て、アラブの若者は〈同胞の救援〉のためにシリアに向かっているのだ。

 安倍首相がISILと戦う国を支援するのは、有志連合の〈イスラム国〉空爆と同様の間違いである。

 元朝日新聞中東・アフリカ総局長が見た中東の真実。(合同出版 2200円+税)


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