「ロンドン狂瀾」中路啓太著

公開日: 更新日:

 1930年、ロンドン軍縮会議で日本の首席全権・若槻礼次郎は対米7割の大型巡洋艦の比率を認めさせようと必死に交渉を重ねていた。だが、イギリス側は強硬で、その上、外交交渉を知らない海軍の財部大将の失言も重なり、思い通りに進まない。

 その夜、パブで独りグラスを傾けていた外務省情報部長の雑賀潤に、若い女が日本語で話しかけた。日本にいたとき、ある財閥の迎賓館で、誤って雑賀に酒をかけた瀬山春子だった。春子はアメリカの外交官スティムソンが若槻を高く買っているという。この女は何者だ……。

 強硬な米英にひるまず戦った若き外交官を主人公にした歴史大作。(光文社 2100円+税)


【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因