今日の新刊
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「ジャックはここで飲んでいる」片岡義男著
イラストレーターの池田は、友人の作家・小野田に、自分が語る話を小説にしてほしいという。 仕事で地方に行ったとき、昭和の残照がある建物の2階にあったバーに入ってバーボンを飲んだ。 1年…
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「埼玉の逆襲 増補・改訂版」谷村昌平著
埼玉は偉人が輩出しない県である。偉人といえるのは渋沢栄一、塙保己一、畠山重忠くらい。さらに、2011年に千葉出身の野田佳彦どじょう総理が誕生して、埼玉は南関東で総理大臣を出していない唯一の県となった…
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「『理』と『情』の狭間」磯山友幸著
父と娘の戦いで話題になった大塚家具。これは実は、どこの家族経営の企業でも起こる話なのだ。 初めは〈家業〉でも、株式を上場したら社会の〈公器〉になる。創業者となるのはカリスマをもった人物が多い…
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「若様とロマン」畠中恵著
明治になって禄を失い、巡査となって糊口をしのぐ元旗本の若様たち。薄給で家臣を抱えて四苦八苦している。 そんな彼らに成り金の小泉商会の当主が見合いを持ちかけた。開戦派に対抗するために縁談で味方…
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「失われた甲子園」赤坂英一著
1989年4月5日、甲子園で愛知の東邦高校と大阪の上宮高校による決勝戦が行われていた。 古豪の東邦に対して、上宮は決勝進出は初めてだったが、遊撃手・元木大介、投手にコントロール抜群の宮田正直…
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「空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか?」高城剛著
最近、物議を醸しているドローンはビジネスの大きな可能性を秘めている。 商品の宅配はもちろん、災害時の被害者の捜索、犯罪者の追跡などにも威力を発揮できる。まだ精度が低いため、着陸地点に1メート…
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「ヤンキーの虎」藤野英人著
生まれ育った地元での生活に満足している若者を〈マイルドヤンキー〉と呼ぶが、その中で貪欲にビジネスを広げている経営者を、著者は〈ヤンキーの虎〉と名づけた。 2001年に発足した小泉政権が不良債…
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「彼女に関する十二章」中島京子著
50歳をすぎた聖子は、雑文書きの夫が女性論執筆の参考資料として探しだした伊藤整の「女性に関する十二章」を手に取った。「人生の初めに男性に現れる愛情は表現されないで終わるのが常だ」という一文が目に留ま…
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「EU騒乱」広岡裕児著
ギリシャの財政問題に続き、シリアからの難民問題でEUは揺れている。だが、ISの拡大以前からヨーロッパにはスーダン、アフガニスタンなどから、常に難民が流入していた。労働力不足のヨーロッパはそれを受け入…
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「戦うハニー」新野剛志著
大手保険会社を退職して、「みつばち園」の保育士となった星野親。そこは〈ダイナマイト・ハニー〉と呼ばれていた。かつて偽のダイナマイトを持って侵入した離婚調停中の園児の父親を、保育士たちが撃退したことが…
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「福島第二原発の奇跡」高嶋哲夫著
東日本大震災が起きたとき、福島第1原発と同様に福島第2原発も危機に見舞われた。だが、幸い第2原発では外部電源が1回線維持されていたため、社員は残って必死で対処する。地震で原発は緊急停止したが、津波で…
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「帝都妖乱」久楽健太著
大東亜戦争に勝利してから70年後の日本。久遠零介は浅草で幼馴染みの友人と会っていた時、突然、狙撃された。実はそれは、久遠を仲間に引き入れようとする大日本帝国陸軍部隊〈十三機関〉の篝市香らが行った「査…
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「福澤諭吉 学問のすゝめ」川北義則著
福澤の言葉で一番有名なのは〈「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」といへり〉だが、著者は最後に「といへり」があることに注目。つまり福澤は「と言われている」といっていて、「人間はみな平等だ」と…
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「核に魅入られた国家」会川晴之著
1985年、〈パキスタンの原爆の父〉カーン博士が京都大学の航空工学教室を訪れ、ウラン濃縮の資料が欲しいと申し入れたが、「日本は平和国家だから」と拒絶された。 日本では原爆用の90%以上の高濃…
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「こじらせない離婚」原口未緒著
離婚の話し合いは修羅場になることが多いが、著者に言わせると、必要なのは「心の整理が9割、法律が1割」だとか。 初めに〈不満ぶちまけリスト〉を作って不満を吐き出し、次に自分の離婚後の生活をイメ…
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「HAKUTO月面を走れ」袴田武史著
著者が代表を務める「HAKUTO」チームは、グーグルがスポンサーとなっている月探査レース〈グーグル・ルナ・エックスプライズ〉に参加し、優れた実験結果を出したチームに贈られる「中間賞」を受賞した。 …
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「羽生結弦 王者のメソッド」野口美恵著
14歳のとき、羽生結弦は「僕はレジェンドになりたい! 人類初の何かで、僕だけってことをみんなに見せたいな」と宣言した。 2014年、五輪王者、世界王者となった羽生はショートプログラムの〈後半…
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「50代からのアイドル入門」大森望著
モー娘。のコンサートで、リーダーの道重さゆみは客席に向かって「ちびっこのみんなー!」と叫んだ。続いて「そしてはげ気味のみなさああん!」と。 実はコンサート会場には年配の男性がけっこう多い。ア…
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「息子に贈ることば」辻仁成著
息子に「パパ、若さってどういう意味?」と聞かれた著者は「生きてることで、まだ発見してないものがたくさんあるということだよ」と答える。 「こんなにたくさんの楽しいことがまだまだあるんだと気がつけ…
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「名作うしろ読みプレミアム」斎藤美奈子著
「これこそ、昼のために、とっておくべきものだ」 本が禁制品になった近未来で、役所の焚書課に勤めるモンターグは違反者の本を焼くのが仕事だ。だが、本の魅力に取りつかれ、重い本を抱えて逃げる。そのと…