著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

患者さんのさりげない感想も治療方針に生かせるのが強み

公開日: 更新日:

 普段から在宅医療の現場では、患者さんやご家族と対話を重ね、意思の疎通を図るように努めています。そうしなければ患者さんにとって本当の意味での、テーラーメードな自宅療養は実現できないからです。

 患者さんやご家族がさりげなく口にしたことから、その場で治療方針を変更し、処方薬を替えることも珍しくありません。柔軟に対応できることは、訪問診療を行う在宅医療の強みとも言えます。かなり前から予約し、1日がかりで医師に会うことになる外来や、ましてや入院とは違う医療サービスなのです。

 頚部脊柱管狭窄(きょうさく)症を患う、80歳の1人暮らしの男性患者さんがいました。

 脊柱管狭窄症は比較的、高齢者に多く見られる病気です。脊柱管は、真ん中に穴の開いた椎骨(ついこつ)と呼ばれる骨が積み重なってできています。加齢で骨が変形するなどの原因で穴の部分が狭くなり、そこを通る神経が圧迫され、脚のしびれや痛みが起こる病気です。特にこの方の患部は頚部(首)でした。

 整形外科の治療では、症状が重篤で速やかな手術が必要な場合を除き、症状の改善をめざす保存療法を行います。鎮痛剤などの薬の微調整で、患者さんのつらさも随分と異なります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波