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高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

マイナス金利が招く銀行連鎖破綻の再来

 先週末、米ワイオミング州の保養地ジャクソンホールに各国の中央銀行トップや名だたる経済学者が集結していた。米カンザスシティー連銀が開いた経済シンポジウムへの出席が目的だ。世界の金融関係者が注目した討論会で、日銀の黒田総裁は自身の政策を自画自賛。29日付の日経新聞には〈マイナス金利政策によって「(企業や家計の)資金需要が刺激された」と語った〉と書かれていた。

 ところが、その記事が掲載されたページをめくると、すぐ裏面には〈低金利、政策手詰まり感〉との見出しが立っていた。同じ討論会で、米FRBのイエレン議長が利下げの限界論に言及し、「財政や規制緩和が重要」と中銀頼みの限界を吐露したようだ。

 低金利政策について、同じ場所に居合わせた日米両国の中銀総裁の意見が、くしくも真っ二つに割れたわけである。

 黒田総裁はマイナス金利で「需要が刺激された」と胸を張ったが、どこをどう探しても、そんな効果は見つからない。今年1月末のマイナス金利政策の導入決定以来、消費の低迷は続き、GDPはゼロ成長、昨年末に1ドル=120円台を付けた為替も、いまや1ドル=100円前後の円高水準にへばり付いている。

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