バリキャリ家庭で育った理系女子の婚活奮闘記│「バリキャリの子」真下みこと著
「バリキャリの子」真下みこと著
化学メーカーに研究員として勤める27歳の田口理佳子は、同期女性が結婚したのを機に婚活を始めた。交際経験も男性経験もないが、何とかなるだろうと根拠のない自信があった。同期の山寺くんに婚活を打ち明けると「俺と結婚とか、どう?」と言われたが、それは丁重にお断り。
ところがマッチングアプリで出会った男たちとうまくいかない。1人目は結婚したら派遣社員になることを理佳子に求めた。2人目は、医療を含める生活のすべてをキッチリ分担したいと主張。3人目は子育てを投資と考える外資系コンサルの男だった。自分の普通と相手の普通が全然違う……。
男たちと対話をしながら、理佳子は子供の頃を思い出す。バリキャリの母親は家でも仕事に没頭し、報告以外のことの話をしたことがなかった。弟の面倒を見るのが理佳子の役割で、姉弟で学童、休みの日は実験教室、ケニアでのキャンプツアーに参加。あの頃、私は母の部下だった--。
バリキャリ家庭で育った理系女子の令和の婚活奮闘記。幼少期の「寂しさ」を認めたことで自分を取り戻し、やがて世間ではなく、自分にとっての幸せを見つけていく姿が頼もしい。
あるべきものがあるべき場所にある状態の心地よさが伝わってくる。
(祥伝社 1980円)


















