「ミサゴの守る町」砥上裕將著|水恐怖症を克服しようともがく消防士の決断

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「ミサゴの守る町」砥上裕將著

 主人公は、5年前に瑞乃町に起きた大水害での救出活動中に目の前で身内を亡くして水恐怖症になった消防士の秋月龍朗司令補。ちょっとした雨や水族館など、水を連想させるものに過敏に反応してしまう水への恐怖心を、家族にも仕事仲間にも隠しながら、今は現場を離れて指令室勤務をしている。

 ある日、水害で身内を亡くした小学生との出会いをきっかけに娘も通う小学校での講演を頼まれ、今まで語ってこなかった当時の思いをようやく口に出し始めた。山火事の発生や町の合併話など思いがけない出来事に遭遇するなか、ある日、町の南方で線状降水帯が発生。5年前の恐怖が再び蘇るなか、上司の判断がなかなか下りないまま、秋月は究極の決断をすることになる……。

 消防士・秋月龍朗が活躍するレスキュードラマ「龍の守る町」の続編。水害に遭った町で、物質的にも精神的にも傷を負った人々が過去を乗り越えようとする様子を描く。将来の夢を語る子どもや町の復興に奮闘する妻、的確な救出活動ができるようにアプリ開発を始めた部下など、愛する町を守りたいと願う人々の思いが熱い。 (講談社 2200円)

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