これは斬新!テーマがユニークなアンソロジー小説特集(3)ひとりの食事はこんなに豊かで楽しい!
「今夜も、ぼっち飯」太田紫織、荻原浩他著
多彩な作家陣の作品が楽しめるアンソロジー小説。ミステリーや恋愛などジャンルはさまざまだが、今回は一風変わったテーマの作品をご紹介。1行目の書き出しのみを統一したアンソロジー、作家ごとにテーマを変えたホラー小説、小説とエッセーと漫画を詰め込んだ食にまつわる作品集など、短編ながら読後の満足感が抜群の4冊だ。
◇ ◇ ◇
「今夜も、ぼっち飯」太田紫織、荻原浩他著
ひとりで「食」と向き合う時間は、ちょっぴり切ないときもあれば、やすらかで満たされることもある。そんな“ぼっち飯”をテーマとした、9人の作家の小説・エッセー・漫画によるアンソロジー。
夫と離婚し、琴子は55歳にして人生初の1人暮らしを始めた。夫がいたころにはあり得なかったデパ地下の総菜やデリバリーのピザでひとりの食事を楽しむ日々。しかし、1カ月も経つとさまざまな体調不良に襲われる。面倒だった夫のための食事作りも、自身の健康につながっていたことに気づいた琴子。今度は自分のための食事作りを始めようと、土鍋探しの旅に出たり味噌づくりに挑戦する。(嶋津輝著「最高の孤食の作りかた」)
ひとりでテーブルを占領する罪悪感と、大食い体質により大量のメニューを頼んでしまう三浦しをん氏のエッセー「ぼっちの罠」、優しいタッチで描かれる矢部太郎氏の漫画「ぼっちではないご飯」など、心もお腹も満たされる一冊。 (実業之日本社 1980円)


















