(5)「会えるアイドル」から「触れ合えるアイドルへ」…偶発的に始まった握手会が広げた可能性
「AKB48にとって最初の“ファンミ”といえるもの。のちにAKB商法の骨格をなすアイテムになっていくという意味で、分岐点となった出来事でした」とエンタメ業界の動向を注視してきたアナリストは振り返る。
ファンミとはファンミーティングの略。タレントが開くファンとの交流会である。元々は韓国で始まった。お目当ての推しと近い距離で交流が持てることもあり、人気のイベントとして定着。その中で目玉となっていくのが握手やツーショットの写真撮影である。
AKB48のスタート時のコンセプトは「秋葉原に行けば、いつでもアイドルに会える」だった。そこに「そのアイドルと直接触れ合える握手会が加わったメリットは計り知れない」とアナリスト。とはいっても、握手会が恒例化するのはまだ先の話である。タレントの安全を確保する十分な対策ができていなかったからだ。その後、警備体制が組まれ、握手会が頻繁に行われるようになったが、そんな時に事件は起きた。
14年5月25日、握手会が岩手県で開かれていた。24歳の男がカバンからカッターナイフの刃を貼り付けたノコギリを取り出し、いきなり川栄李奈、入山杏奈、さらには止めに入ったスタッフに切りつけたのだ。3人は裂傷や指の骨を折るケガで、救急搬送された。入場者のチェックは手のひらを広げさせるだけ。手荷物は検査していなかった。


















