元大使・天木直人氏「中東の不条理は武力では解決できない」

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 レバノンでのISのテロには重要な事実があります。シーア派組織のヒズボラの拠点を狙ったテロだったということです。私がレバノンにいた時、レバノンで起こるテロはヒズボラによるものと相場が決まっていて、ヒズボラの敵は米国だった。現在、ヒズボラはイランの影響下にあるといわれていたり、最近はシリアのアサド政権を支えるアラウィー派(シーア派の一派)と共闘している。だからあの自爆テロは、スンニ派対シーア派の宗教戦争の側面もあるのです。私は今度のことで、ますますスンニ派が団結するのではないかと危惧しています。

――この宗教戦争はISの世界的なテロにどんな影響を与えるのでしょう?

 レバノンの事情通は「シーア派のヒズボラよりもスンニ派のテロの方が脅威だ」と常々、口にしていました。なぜなら、シーア派のヒズボラのテロは米国の中東支配に対するイランの代理戦争というべきものでしたから、まだ外交的な解決が可能でした。しかし、スンニ派の敵というのは、イスラムの教えに背き堕落したサウジ王政です。サウジは石油が出て大金持ちになったものの、湾岸戦争以降は完全に米国に屈服した。サウジはイスラム教の総本山ですが、そこに米兵を入れ、女性兵士まで入れた。これはアラブにとっては許されない冒瀆で、狂信的なだけに外交的には解決できないテロなのです。

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