松田聖子さんがまさかの中大法学部を卒業 通信制大学の学び直しで成功する人は?
通信制はリモート学習、超長期の資格試験のようなもの
先日、歌手の松田聖子さん(62)が中央大学法学部の通信教育過程を卒業したことが話題になりました。近頃、通信制大学で学び直しをする女性の話を多く聞くようになりました。
彼女らはなぜ通信制大学で勉強し、どんなメリットがあるのでしょうか。
【内藤みかのあたらしいのがお好き】
筆者も別の大学の通信過程を卒業していますが、大学の通信教育は、ほとんどリモート学習と変わりありません。コロナ禍以前から、動画を視聴したり、テキストで自習しながら大学の課題をこなしていくものです。
ただ、その中に一部「スクーリング」と言って、夏の短期間や夜間などに直接大学に通い、対面で受ける授業があります。しかし近年ではオンラインで対面型講義の受講もできるようになり、ほとんど大学に行かなくても卒業できるところも出てきています。
大学を卒業するためには、全部で100単位以上が必要です。1単位や2単位など少しずつ教科の課題をクリアした末に、卒業があります(学科によっては卒業論文もあります)。
卒業まで資格試験を50くらい受けたようなもの
資格試験を50くらい受けたようなものと考えれば、かなりの学習と根性が必要だということがわかるかと。
これほど大変でも挑戦する人が後を絶たないのは、通学するよりずっと安く大学を卒業することができるから。また、大学に通うことが難しい多忙な人や、遠方の人も挑戦しやすいのです。
完全に孤独な学習というわけではなく、オンラインコミュニティーやサークルなどで情報交換をすることもできるのも心強いところですね。
子どもの受験勉強に刺激され「入り直したいな」とボヤいたら…
筆者も40代になってから大学の通信課程で学び直しました。入学するまではリタイアされた高齢の方が多いのでは、と想像していたのですが、それ以上に30〜50代が多かったのには驚きでした。
中には大卒の資格を取ってから転職したいという人や、専門知識を学んでキャリアアップしたいという人もいます。自分の今後のために学んでいこうというアグレッシブな人も少なくありません。
また、大学で学び直したいと考える主婦も少なくありません。中には子どもが勉強しているので自分も勉強したくなったという人もいます。
「ママも文学部に入り直したいなあ」
親子で勉強の話題で交流できるので、反抗期や思春期の時のコミュニケーションにもなるのだとか。
筆者も子どもが受験勉強をしているのを見て、「ママも文学部に入り直したいなあ」とボヤいたのがきっかけでした。
「今からでも遅くないよ」と言われ、確かにそうだと学び始めたのです。そしてレポートの書きかたについて子どもと一緒に考えたりといい思い出もできました。
途中で脱落する人と根気強く勉強する人の違いは?
通信制大学は、自力で単位を取っていかないと卒業まで辿り着けません。図書館に行って調べなくてはならない課題も多いで、相当な知的好奇心がないと続きません。
大学生になってみたいというようなフワッとした動機の人は、途中で脱落してしまうこともあります。
逆に「前から歴史に興味があって、もっと知りたくなった」というような目的の人は、根気強く勉強し続けます。それは学ぶことが楽しいからです。
筆者も大好きな文学のことを学び直したので全く苦にはなりませんでした。
松田聖子さんは英語で歌うジャズアルバムをリリースするなど、常に挑戦を続けているかた。てっきり英語や英文学を学ばれたのかと思ったら、法学だったことにも驚きました。
法学部の種明かしは…
法律に強い興味を持たれた理由も、いつか明かされる日が来るかもしれませんね。
通信課程ではないですが、結婚・出産後に大学院を卒業された菊池桃子さん(55)は戸板女子短期大学で客員教授をされています。
芳本美代子さん(55)も舞台プロデュースなどの実績を重ね、大阪芸術大学短期大学部で教授をされています。
かつてアイドルだった女性たちのセカンドキャリアも注目していきたいですね。
(内藤みか/作家)