ペットの療養食、サプリ、医薬品…横行するネット販売に思うこと

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 ワンちゃんもネコちゃんも、年を重ねると腎機能が低下しやすくなります。あるワンちゃんに点滴治療しながら様子を見守ると、血液検査は改善傾向がみられましたが、腎臓は再生能力がなく、治ったというより悪化させないための下支えのイメージです。

 それでもワンちゃんの調子はよくなり、食欲が増してきたので、腎臓に負担をかけにくい低ナトリウム、低タンパクの療養食をお勧めしました。すると、納得して当院で用意しているものの一つを購入していただいたのですが、その次の診察でこう言われたのです。

「先生がおっしゃった通り、療養食はよく食べてくれました」との言葉に続いて爆弾発言が。「同じものをネットで見つけて安く買えました」と。

 療養食は、原材料費の高騰や輸送費の値上がり、円安などが重なり、私が開業したころより2倍近くになっています。そんな高さから、療養食を押し売りすることはありません。あくまでもかかりつけ医としてワンちゃんやネコちゃんの体を守るための補助として在庫を準備しています。

 ところが、一部の獣医はそんな事情に関係なくネットでの販売ルートを構築。メーカー希望価格を明記するものの、セール期間やポイント還元などで事実上の値下げがまかり通っています。自由競争といえばそれまでですが、格安のネット販売が横行すると、本来、動物病院に入るべき利益はネット販売の獣医に流れてしまいます。

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