ペットの療養食、サプリ、医薬品…横行するネット販売に思うこと

公開日: 更新日:

 ワンちゃんもネコちゃんも、年を重ねると腎機能が低下しやすくなります。あるワンちゃんに点滴治療しながら様子を見守ると、血液検査は改善傾向がみられましたが、腎臓は再生能力がなく、治ったというより悪化させないための下支えのイメージです。

 それでもワンちゃんの調子はよくなり、食欲が増してきたので、腎臓に負担をかけにくい低ナトリウム、低タンパクの療養食をお勧めしました。すると、納得して当院で用意しているものの一つを購入していただいたのですが、その次の診察でこう言われたのです。

「先生がおっしゃった通り、療養食はよく食べてくれました」との言葉に続いて爆弾発言が。「同じものをネットで見つけて安く買えました」と。

 療養食は、原材料費の高騰や輸送費の値上がり、円安などが重なり、私が開業したころより2倍近くになっています。そんな高さから、療養食を押し売りすることはありません。あくまでもかかりつけ医としてワンちゃんやネコちゃんの体を守るための補助として在庫を準備しています。

 ところが、一部の獣医はそんな事情に関係なくネットでの販売ルートを構築。メーカー希望価格を明記するものの、セール期間やポイント還元などで事実上の値下げがまかり通っています。自由競争といえばそれまでですが、格安のネット販売が横行すると、本来、動物病院に入るべき利益はネット販売の獣医に流れてしまいます。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い