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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

悠仁さまがキリスト教の大学を選択することにナゼ違和感? ICUと皇族の意外な接点

公開日: 更新日:

 2週間ほど前、東大推薦入学が最有力とみられる悠仁さまが「国際基督教大(ICU)への進学も視野」とのニュースが流れると、疑問を呈するコメントが数多く寄せられた。「将来天皇になられる方が不適切」といった意見に代表されるように、皇室がキリスト教の大学を選択することに違和感を持つ人は少なくない。そうした声に対し、「問題があるとは思えない」と反論するのは宮内庁OB。「そもそも、ICUの設立に皇族が深くかかわっていた」と話す。

 戦後、実質米国の占領下に置かれていた日本でマッカーサーGHQ最高司令官を中心にキリスト教の学校を作る計画が進められていた。そこで日本側の責任者となったのが昭和天皇の弟の高松宮さま。設立準備委員会の名誉総裁を務め、1953年にICUが開学した。

「それから半世紀以上もたってから秋篠宮家の長女・眞子さんがICUに入られ、佳子さまが続いたわけですが、驚きはなかった。もし悠仁さまが同校を選ばれても、不自然な流れではない」

■上皇后・美智子さまもミッションスクール出身

 こう話す宮内庁OBはもはや皇室にとってキリスト教はタブーではないと言い切る。だが、かつて問題視する勢力がいたのも事実。上皇后・美智子さまが上皇と結婚された時も激しいバッシングに遭った。その理由のひとつがキリスト教との関係だった。幼稚園と小学校は雙葉、中学から大学は聖心とミッションスクールに通った。

 明治以降初めて民間から皇族になった美智子さまを快く思わない学習院女子の同窓会「常磐会」や旧華族にとって格好の攻撃材料になった。「さまざまなデマも飛び交った」と振り返るのは週刊誌のベテラン記者だ。そのひとつが結婚3年目に起きた「聖書事件」である。

 上皇の弟・常陸宮さまが昭和天皇夫妻と会食をしていると、美智子さまが入ってきた。すると、常陸宮さまが「キリスト教の話ができるようになって非常にうれしい」と漏らした。それに激怒した昭和天皇はあとで美智子さまを呼びつけ、「二度と皇室の中でキリスト教の話をしないでくれ」と命じたという。

「この話は皇太子(現上皇)の学友を売りにしていた藤島泰輔氏が雑誌の座談会で明らかにしたもの。常磐会や旧華族と太いパイプがあり、そこから情報を得たようです」(ベテラン記者)

 ちなみに藤島氏の妻は旧ジャニーズ事務所の名誉会長まで務めたメリー喜多川氏。SMILE-UP.代表取締役の藤島ジュリー景子氏は長女である。

「のちに藤島氏の話はガセであることが判明する。こうしたウワサが流れている事実を知った昭和天皇は入江相政侍従に『事実でないばかりか、心に思ったことさえない』と全否定したのです。美智子さまを陥れようとする勢力のデッチ上げだった」(同)

 さまざまなウソに翻弄されてきた美智子さま。現在の最大の気がかりは、筑波大付属高校3年生になった孫の悠仁さまの進路であるのは間違いない。

◆田中幾太郎の著書「名門校の真実」(1540円)日刊現代から好評発売中!

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