「発達障害とはなにか誤解をとく」古荘純一著
自閉症、アスペルガー症候群、ADHDなど、著名人が自分は「発達障害」だと告白するケースが近年になって増えている。そうした影響もあり、社会的にも発達障害に対する「興味」や「関心」が持たれるようになった。しかし、病気についての「理解」が深まるどころか、むしろ「誤解」を生んでしまっていると小児科医・小児精神科医の著者は言う。
インターネットなどで喧伝されている不正確な情報に影響され、よくわからないままレッテルを貼ったり、自分は発達障害に違いないと思い込んでいるケースも少なくない。
本書では、発達障害は個性を超えた「脳を基盤とする精神神経疾患」であるとの考えに立ち、正しく理解するための情報がわかりやすく解説されている。まずは発達障害の若者たちがどんな生活を送っているのかについて数多くの事例を挙げ、世間に広まっている誤解を解いていく。また、発達障害の症状を正しく説明し、最新の脳や遺伝子研究についても紹介する。(朝日新聞出版 1500円+税)