「味なニッポン戦後史」澁川祐子著

公開日: 更新日:

「味なニッポン戦後史」澁川祐子著

 日本人の味覚の変化を追った一冊。

 まずは「化学調味料」や「だし」に代表される「うま味」について。

 かつてはどの家にも常備されていた「味の素」をはじめとする化学調味料(=うま味調味料)。一時期は、料理本でもさまざまなレシピに用いられていたが、ある時期を境に食卓や料理本から一斉に消えてしまった。一方で今、若い料理人によって見直される動きもある。その背景を分析しつつ、結局は多くの人がいかにも人工的な感じがする白い粉をなんとなくイメージで避けているに過ぎないことを明らかにする。

 ほかにも、昆布とかつお節の合わせだしや、ご当地塩ブームなどを俎上に、塩味や甘味、酸味、苦味など、さまざまな味覚について日本人の嗜好の変化をたどる。 (集英社インターナショナル 968円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋