• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

日本の国鳥に「キジ」が選ばれた理由

「世界の国鳥」水野久美・テキスト アフロ・写真

 国鳥とは、国歌や国旗のように、国のシンボル、象徴にしている鳥のことだ。さて、日本の国鳥をご存じだろうか。

 トキやタンチョウヅルなどを思い浮かべた人も多いと思うが、答えは「キジ」。

 日本固有種の美しい留鳥で、民話や童謡でもなじみがあり、オスは勇敢でメスは母性愛の象徴であることなどから、1947年に日本鳥学会がキジを国鳥に選んだという。

 国鳥はすべての国で定められているわけではなく、法律で定められたものから慣例的なものまで、選定機関も実はさまざまだそうだ。本書は、36カ国の国鳥を美しい写真で紹介しながら、それぞれの特徴やその国の自然と文化、そして人々との結びつきを解説したカラーガイドブック。

 世界で初めて国鳥を制定したのは、アメリカ。1782年、先住民に神聖な鳥としてあがめられていた「ハクトウワシ」が議会で選定され、パスポートや紙幣などにも描かれている。

 一方のイギリスでは、2015年に正式な国鳥を決める国民投票が行われ、1位になったヨーロッパコマドリを選定。

 中米グアテマラの国鳥は、宝石のヒスイに次いで珍重される幻の鳥「ケツァール」で、その名は同国の通貨単位にも用いられている。

 鳴き声が「キーウィ」と聞こえることから先住民マオリ族によって名付けられたのは、ニュージーランドの固有種「キウイ」。オスが卵を温めて子育てをすることから、同国では、いわゆる「イクメン」を「キウイハズバンド」と呼ぶという。

 国旗や国歌に触れることはあっても、なかなか、その国の国鳥を知る機会はない。しかし、国鳥について知れば知るほど、その国がぐっと身近に感じられる。何よりも、それぞれの美しい姿は、一見に値する。

(青幻舎 1600円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事