「あらごと、わごと呪師開眼」武内涼著

公開日: 更新日:

「あらごと、わごと呪師開眼」武内涼著

 承平4(934)年夏。11歳のあらごとは、常陸の豪族、源護の屋敷で下女として働かされている。生まれは西の国だが、6歳で別れたまま、親の顔ももう覚えていない。記憶にあるのは故郷が山を割って現れた怪物に襲われたことだけだ。地獄のような日々を送るあらごとの唯一の希望は、足尾山で療養中の護の三男繁の帰還だ。繁はあらごとにとって命の恩人だった。そんな中、あらごとが仲間と練っていた脱走計画が発覚。屋敷内の牢に連れていかれたあらごとは、鎖でつながれた獣が変わり果てた繁だと教えられる。エサとして牢に入れられたあらごとの体内で何かが目覚める。

 同じころ、平安京で貴族に仕えるわごとも謎の力を得ていた。

 平将門や藤原純友らを巻き込み少女たちと妖魔の戦いを描く平安怪奇譚。 (徳間書店 1298円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に