打撃は異次元のレベルへ昇華、野手専念の今季が「三冠王」の最初で最後のチャンス

公開日: 更新日:

 手術明けのため、今年は打者に専念するしかない。手術したのは右肘だから、上半身のトレーニングには当然、制約が生じる。したがって自主トレから下半身を徹底的に鍛えた。

 新たな目標は「走ること」。連日のようにダッシュを繰り返し、下半身をいじめ抜いた成果は打撃にも表れている。

 エンゼルス時代は屋外のフリー打撃をほとんどやらなかった。室内にこもってマシン打撃を繰り返すことが多かったが、ドジャースでは積極的に屋外で打った。

 野手組のキャンプが始まるなり、他の主力とともにほぼ1日おきにグラウンドに出てフリー打撃。バックスクリーン越え、飛距離140~150メートルという特大の当たりを連発し、首脳陣やナインの目を白黒させた。

 打球の半分近くが面白いように外野フェンスを越えていく。その飛距離といい、確実性といい、打撃面で進化しているのは間違いない。ドジャースの首脳陣たちは、大谷のフリー打撃を見てこんなふうに話しているという。

「大谷は下半身の力を利用して打球を遠くに飛ばしている。始動で地面を強く蹴り、その力を足から腰、そして腕と順を追って伝えている。そのほとんどを芯でとらえているのはバットがボールに対して最短距離で出ていることが大きいが、それだけではない。下半身がどっしりと安定しているからこそ、バットの軌道もブレないし、正確にボールをとらえられるのだと思う」

 オフの間に下半身を強化したがゆえに、ボールを正確にとらえる確率は上がり、打球の飛距離もこれまで以上に伸びたようなのだ。リハビリが進むにしたがって、上半身にも強い負荷をかけられるようになる。そうなったら、いったい、どれくらい打つのか、どこまで飛ばすのか、想像もつかない。


■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性