「健康診断は受けてはいけない」近藤誠著

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 3月に入り、健康診断のシーズンがやってきた。職場健診や人間ドックを受ける人も多いだろう。しかし、こうした健康な人向けの検査が「より健康になる」「寿命を延ばす」というデータはないという。

 確かに、女性よりはるかに多く健診を受けている男性の平均寿命が女性より6歳も短いのはなぜなのか。性差や肉体的・精神的に疲労の差を考えたとしても、本当に健診に効果があるのか疑問だ。著者に言わせると健康に貢献するというより、むしろ過剰な医療介入を招くキッカケになり、健康を損ねたり短命になりかねないという。実際、米国では前立腺がん検診や乳がん検診に使われるマンモグラフィーを否定する政府機関の見解が報告され、昨年には世界有数の総合医学雑誌に「なぜこれまで一度も、がん検診による救命が示されていないのか」との論文が掲載されたという。(文芸春秋 740円+税)

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