著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

「100年ぶりパリ開催」の意義をIOCはどう考えるか アインシュタインとフロイトが導き出した戦争終焉の解

公開日: 更新日:

 今から92年前に国際連盟が希代の物理学者アインシュタインに、「あなた自身が相手を選び、最も大切な問いについて手紙を書いて欲しい」と依頼した。彼は心理学者フロイトを選び、「人間を戦争のくびきから解き放つことはできるか?」を問うた。20世紀を代表する2人の知者がこの根本的問題を論じていたわけだが、その解は「文化の発展を促せば、戦争の終焉に動き出す」だった。第1次世界大戦が終わり、平和への希求の中で生まれた解だ。

 同時代、ひとりのフランス人もこの問題に解を求めた。それは新たに登場した「身体に関わる文化」だった。それはスポート(Sport)と呼ばれた。世界中の青年たちがスポートを通じてつながることで未来の平和な世界を実現しようとしたのだ。その人の名はピエール・ド・クーベルタン。1894年にパリで発足した国際オリンピック委員会(IOC)は古代ギリシャのオリンピア祭を復興させる。1924年第8回オリンピック競技大会がパリで開催され、第1次世界大戦の復興を象徴した。それは彼がIOC会長として果たした最後の仕事であった。

 その地で100年ぶりに7月26日からオリンピックが開催される。このオリンピックに求められるものは必然、「スポートによる世界平和構築」のメッセージであるべきだ。2022年北京冬季五輪閉会の4日後にロシアはウクライナに侵攻、オリンピックの平和構築装置の基幹である「オリンピック休戦」を打ち破った。IOCはロシアと同盟国のベラルーシに制裁を科し、同国選手は自国を代表しては五輪に参加できない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    「立花一派」の一網打尽が司法の意志…広がる捜査の手に内部情報漏した兵庫県議2人も戦々恐々

  3. 3

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  4. 4

    「ロイヤルファミリー」視聴率回復は《目黒蓮効果》説に異論も…ハリウッドデビューする“めめ”に足りないもの

  5. 5

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  1. 6

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  2. 7

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です

  3. 8

    元プロ野球投手の一場靖弘さん 裏金問題ドン底を経ての今

  4. 9

    米中が手を組み日本は「蚊帳の外」…切れ始めた「高市女性初首相」の賞味期限

  5. 10

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層