萩本欽一〈47〉気仙沼ちゃんは民宿4軒経営の大女将に 説教してテレビで夫を募集させた甲斐があった
作家・増田俊也氏による連載、各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。待望の第2弾は、「視聴率100%男」として昭和のテレビ界を席巻したコメディアンの萩本欽一氏です。
◇ ◇ ◇
増田「気仙沼ちゃんに何と説教したんですか?」
萩本「こう言ったんです。『あなたは今までは本当におかしかった。それは私があなたを好きだから誘導したんだ。他の局に行ったら、他のタレントさんには誘導してくれる人いないよ。そしたらあなたのおかしさってのは出ないよ』って。『それよりもこんないい時に嫁に欲しい人いるかってテレビで募集したらみんな殺到するぞ。嫁に行った方がいいぞ』って言ったら、『はい、それじゃすぐ叫んでみます』って番組内で叫んだの。そしたら本当にすごいいっぱい来て、一番いい二枚目のところへ嫁に行きました」
増田「誰かもらってくださいって叫んだんですか」
萩本「はい。気仙沼の民宿のボンボンのところへ嫁ぎました。それからその民宿、気仙沼ちゃんの人気でどんどん大きくなって、一時は2号館、3号館、4号館までできちゃって」
増田「それはすごい(笑)」
萩本「彼女のところに行ったときにね、『おまえ、これじゃあもう民宿じゃないだろうと。ホテルじゃねえか』って(笑)」
増田「人間ていうのは本当に人柄ですね。それが運を引き寄せた」
萩本「そうです。みんなそういう点では素直っていうのはあるね。ほんとに不愉快な人は一人もいない」
増田「令和の時代になって、だんだん世知辛い世の中になって、人柄よりも性能みたいなもで選んで隙間がなくなってきましたよね。だんだん」
萩本「でしょうねえ。ええ」
増田「斎藤清六さんとか気仙沼ちゃんの話聞くと、本当に人柄ひとつで1億円貯金しちゃう」
萩本「うん有名人だと、ね、どこかでしゃべったってすぐ30万円とか、安くてすいませんって20万円くれるからね」
増田「ホテルを4号館まで建てちゃったり、運がぐんぐん向いてくる」
萩本「はい、はい」
増田「視聴者、僕らは茶の間で父や母、家族みんなで見てた時代ですから。セッティングされてそういう芸をやってるんだと思ってましたけど、みんな素の面白さを引き出したわけですね」


















