羽生結弦は“相手の幸せのため”と…離婚の裏に見え隠れする古くて新しい「家庭のオンリーワン問題」
プロフィギュアスケーターの羽生結弦(28)がわずか105日で離婚したことが波紋を広げている。別れたのは山口出身の8歳年上の女性で、取材攻勢やストーカー行為から自分たちを守ることができないことが離婚理由だという。世界的な人気スケーターだけに、何ともカッコいい離婚理由だが、そんなことがあるのだろうか。
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「羽生さんはトップスケーターで、ファンが多いのは周知の事実です。結婚していた女性がそのことを知らないはずはないでしょうし、羽生さんも結婚によって女性への報道が過熱するのは推測できたと思います。その点を踏まえると、羽生さんが妻となった女性を守ることを諦めて、離婚という決断を下したのはちょっと解せません」
こう言うのは、男女問題研究家の山崎世美子氏だ。
振り返れば2年前、当時の秋篠宮家の眞子さま(32)を妻に迎えた小室圭さん(32)をめぐっては、小室さんの母の金銭トラブルが報じられたこともあり、大々的な結婚反対論が沸き起こった。2人は猛烈な逆風にひるむことなく渡米して結婚生活をスタートすると、その後、小室さんは世界的なパパラッチ攻勢にも負けることなく、米国の司法試験に合格。弁護士資格を手に入れ、暮らしぶりも右肩上がりで順調に愛を育んでいる。
人気スケーターが取った行動は、妻のために安定した生活を手に入れた小室さんとは対照的だ。山崎氏がその行動を解せないというのも当然だろう。
■祖母にも妻を知らせず
羽生の母方の祖母を直撃した「現代ビジネス」によると、祖母は孫の結婚をまったく知らされなかったという。
「結婚にしても、何も聞かされなかった。有名になると、話せないこともあるんでしょう。でも、私たちには理解できません。(相手について)なんで言わなかったのかなって。あとで(本人に)聞きましたが、その辺はやはりはっきり言わないんです」
この祖母は、羽生の母にあたる娘と電話でやりとりすることもあり、結婚相手を報告しないで済むような遠い親戚ではない。羽生が、妻となった女性を守ろうとする意識が強過ぎたあまり、家族の一員である祖母さえも“情報統制”の対象にしたのだろうか。
こうしたことが少しずつ報じられるにつれ、スピード離婚の波紋を広げる要因の一つとなっている。羽生は、離婚を告白したXへの投稿で女性を「妻」とは語らず、「お相手」と表現した。それについても首をかしげる人が少なくない。
離婚に関する統計の概況によると、2020年の離婚件数は約19万3000件。いまや離婚は珍しくなく、結婚後5年未満の離婚は全体の3割を占める。お互いに嫌な部分があれば、たもとを分かち、新たな人生を歩むという選択肢は十分ありうる。
離婚原因は、男女とも「性格が合わない」がトップ(司法統計年報21年版)。以下は、「精神的に虐待する」「生活費を渡さない」「異性関係」などが続く。しかし、羽生は「これからの未来を考えたとき、お相手に幸せであってほしい、制限のない幸せでいてほしいという思いから、離婚する」という。残念ながら司法統計年報のトップ10には、“幸せを願う離婚”は見当たらない。
「羽生さんのケースではなく、あくまでも一般論ですが」とした上で山崎氏が言う。
「もし私のところに来られた相談者がいろいろな事情で離婚を検討していたとしても、相手への好意を少しでも残しているなら、離婚はお勧めしません。復縁のアドバイスをします。離婚は、あくまでも相手をとことん嫌いになった末の結論。ですから、キレイな離婚はありません」