築地場外市場“再開発”は新たな「負のレガシー」か…現地に漂うシラけムード

公開日: 更新日:

集中連載(下)

「築地は守る、豊洲は生かす」──。女帝が築地市場の再開発をめぐる“約束”をブチ上げてから約7年。いまだ果たされないまま小池都政は3期目を迎えた。戦後から東京の食文化を形づくってきた台所に、新たな「負のレガシー」が残されようとしている。

 今年4月、築地跡地の再開発事業者に三井不動産や読売新聞社グループ本社など11社で構成される企業連合が決定。総事業費9000億円をかけて2032年をメドに、目玉となる5万人収容のマルチスタジアムやライフサイエンスの研究施設、日本食のフードホール、ホテルなどを整備する。空飛ぶクルマの実用化を見据えた拠点整備も盛り込んだ。

 小池知事は「(築地についても)市場としての機能が確保できるための方策を見いだしていきたい」(17年6月)と力説していたが、事業計画案には〈歴史ある「食」を堪能できるフードホール〉とあるだけで市場機能は含まれていない。築地跡地に隣接する場外で海鮮焼き店を営む60代店主は「お上が勝手に(開発を)進めているだけで、期待しちゃいないよ」とシラけた様子で、こう続けた。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…